5人制バスケ男女日本代表が始動、「世界を驚かせるバスケットを展開するための強化方針」を発表

女子は今秋、男子は来夏にワールドカップを迎える

日本バスケットボール協会（JBA）は今日、5人制男女日本代表チームの強化、活動方針を発表した。

三屋裕子会長は「新たな思いで世界に勝つ、世界を驚かせるバスケットを展開するための強化方針を発表します」とコメント。男子日本代表は、来夏に日本（沖縄）を含む3地域で行われるワールドカップ2023に出場する。日本は開催国枠として出場権をすでに得ているが、『ワールドカップ予選2023アジア地区予選』は出場し、国際試合の機会が少ない今、ワールドカップ本戦に向けて、予選での経験は貴重なものとなる。男子日本代表は、7月1日から3日にオーストラリアのメルボルン（セントラル開催方式）で行われるWindow3に出場し、その後、8月下旬にホーム&アウェー方式のWindow4に出場する予定だ。

JBAは本日、2022年度の男子日本代表チーム、第1次代表候補選手42名を発表した。東野智弥強化技術委員長は、男子日本代表チームを2チームに分けて強化を進めることを明かした。一つはWindow3とアジアカップに出場するチーム、もう一つはWindow4と国際強化試合に出場するチームに分けるとのこと。しかし、両方に参加する選手もいるという。

このチーム分けはまだ発表されていないが、指揮官を務めるトム・ホーバスは、いわゆるAチームとBチームではないことを強調した。「（チーム分けは）強さや身長、ポジションを考えて本当にイーブンな形で決めました。Bリーグのシーズンが終わったばかりで、ケガ人もいるから大変だったけど、今分けているチームにAとかBはない。ウチのバスケを上手にやりたいから分けました」

また、昨日6日から12日まで行う若手主体のディベロップメントキャンプに参加している選手についても「トライアウトなので、良い仕事、良いバスケをしたら次の合宿に呼ぶ可能性はあります」とチャンスがあることを語った。

「Bリーグと代表で良い仕事をすれば、日本のバスケができます」

ホーバスが男子日本代表を率いて、これまでに4試合を終えた。ホーバスは「まだまだ結果は出していないけど」と前置きしつつ、「良い道に進んでいるから私はポジティブです」と続けた。「今は誰が良いのかをすごく探している状況。今までの4ゲームで西田（優大）選手、ポイントガードの齋藤（拓実）選手、寺嶋（良）選手、佐藤（卓磨）選手と谷口（大智）選手もすごく頑張っていて、良いチームができそうだと思っています。これからが本当に楽しみです。みんなの力で日本のバスケットを強くしましょう」

ホーバスは東京オリンピックで女子日本代表を銀メダル獲得へ導いた実績を持つが、男子日本代表では本人も語ったようにまだ結果は残していない。男子日本代表を世界で戦えるチームへとするためにも、ホーバスはBリーグのあり方を問いた。現状だとBリーグは外国籍選手2人を同時に起用することができる。しかし、ホーバスは「オン2にすると日本人ビッグマンのプレータイムが伸びない」と危機感を語る。

「Bリーグでの経験がないのに代表に呼ぶことになる。谷口はこの間のチャイニーズ・タイペイ戦で35分間出たけど、Bリーグではシーズンを通してまだ34分しか出ていないと言っていた。それはおかしい。試合も多すぎる。Bリーグと代表で良い仕事をすれば、日本のバスケができます。代表チームが長い間集まれなくて、経験がない選手を毎回呼ぶようだと代表は難しい。今シーズンも集まりたいけど、みんな疲れているしケガ人もいます。そこは直したいです」

「『金メダルを取るために』からすべてを発想して、強化作戦を図っています」

女子日本代表がパリ五輪の出場権を得るには、『今秋のワールドカップ2022で優勝する』こと。優勝が達成できなかった際には、2023年に開催される女子アジアカップでベスト4以上の成績を収めて、OQTの出場権を獲得して、パリ五輪を目指すことになる。

指揮を執る恩塚亨ヘッドコーチは、女子日本代表チームの最終ゴールを『パリ五輪での金メダル獲得』と掲げている。恩塚コーチは「非常に大きな大役を背負っていますが、メダル獲得を目指していきたい。『金メダルを取るために』からすべてを発想して、強化作戦を図っています」と意気込む。

その『パリ五輪での金メダル獲得』を達成するためにも、今秋のワールドカップは重要な大会となる。ワールドカップは9月22日から10月1日にかけて行われるが、10日間で最大8試合をこなすハードスケジュールだ。恩塚コーチは「戦略とは戦いを略く＝無用な戦いをしない」と言い、ワールドカップでは「時間とエネルギーの効率的な使い方が必要。ワールドカップは10日で8試合あるため、エネルギーを効率良く使うことが大事です」と続けた。

その上で、「東京オリンピックで見せたキックアウトからの3ポイントシュートは継続して、スイッチディフェンスを克服したい」と意気込みを語った。

また、JBAは6月18日と19日に行う女子日本代表vsトルコ代表の国際強化試合に加えて、8月11日と12日に女子は三井不動産カップを、男子は8月13日と14日に、ゼビオアリーナ仙台で国際強化試合を開催することも発表した。なお、ともに対戦相手は調整中とのこと。