「レギュラーシーズンに楽な試合は一つもない」
レバンガ北海道はタフなオフシーズンを過ごした。新ヘッドコーチであるジョゼ・ネトがチームに合流したのは8月下旬と遅れ、さらに9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震の影響もあり、十分な準備ができたとは言い難い状況で開幕を迎えた。その中で開幕2勝2敗は無難なスタートと言える。
サンロッカーズ渋谷との第2戦となる14日、北海道は前日の惜敗(66-67)からチームを立て直し、76-57と快勝した。チームリーダーの折茂武彦は、次のように勝因を語る。「昨日は、相手にオフェンスリバウンドを取られすぎてしまい、そこからセカンドチャンスでの得点を許してしまっていました。この部分に加え、ターンオーバーが多かったことを修正したことで、昨日よりもできたと思います」
そして、開幕4試合を終えての結果について「2勝2敗。勝てる試合も中にはありましたし、当然、満足はしていないです。ただ、連敗していないのは良いこと。レギュラーシーズンに楽な試合は一つもないわけで、僅差の戦いが続いていきます。ここはしっかりと現状に満足することなく、やっていかなければいけないです」と振り返っている。
また、代行時代も含め昨シーズンまで3年半に渡って指揮官を務めていた水野宏太からネトへのヘッドコーチ交代による変化は「新ヘッドコーチとの違いはこれから」と言う。さらに選手としてヘッドコーチの目指すスタイルをコートで表現していくことに変わりはないと強調する。
「水野ヘッドコーチの時も我々が信じてついていき、その成果として上には行けなかったですが、激戦の東地区でB1にしっかり残れた2年間でした。これからネトヘッドコーチの下、どういう事態に陥るのか分からないですが、一人ひとりがやるべきことをコートに出していけば、自ずと結果が出てくる。そう信じていかなければ、何も進まないです。まだ、何が違うかと言われれば分からないですが、これからコートの上で表現できればと思います」
不利な要素が重なるも「言い訳にしない」
震災による影響について「予期せぬ出来事が北海道で起きて、それは受け入れなければいけない。そして、これを言い訳にすることなく、やっていかなければいけない。ケガ人などいろいろな問題もあって、最高の準備はできないままの開幕となりましたが、これからしっかり練習して東地区で勝ち抜いていけるものを身に着けていきたいです」と語る。
この4試合、折茂は得意の外角シュートが決まらずにいるが、ローテーションの一員としてすべての試合で10分以上の出場時間をマーク。新ヘッドコーチの目指す守備は「ボールにプレッシャーをかけて走り回るもので、一見するとクレイジーなものに見えるかもしれない」と本人が語る豊富な運動量を要求されるものであるが、それを社長との二足のわらじを履く48歳のベテランが遂行できているのは驚異的だ。
「これから当然、もっと精度を上げていかなければいけないものの、コーチから言われたことを選手がやろうとしています。あとはどれくらい精度を高めていけるかが今後のキーになっていきます」と折茂。新たなヘッドコーチの下、新たなスタートを切った北海道ではあるが、アラフィフの『鉄人』が引き続きチームにとって必要な存在であることに変わりはない。
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