トラソリーニとドブラスの2枚看板が大活躍
10月14日、レバンガ北海道が敵地でサンロッカーズ渋谷と対戦。前日は終了間際に勝ち越しを許し66-67と競り負けた北海道だが、この日は持ち味の堅守でSR渋谷のオフェンスを沈黙させ76-57と圧勝した。これで北海道は2勝2敗と勝率を5割に乗せている。
7-7で迎えた第1クォーター中盤から、ライアン・ケリーの3ポイントシュートを含む連続9得点で突き放された北海道だが、ここからエースのマーク・トラソリーニが、巧みにフリースローを獲得して9得点を量産。18-16と勝ち越して第1クォーターを終える。
そこから新外国籍選手のデイビッド・ドブラスがゴール下での軽快なステップワークからシュート6本すべてを決める12得点でオフェンスを引っ張る。SR渋谷もロバート・サクレがこのクォーターで10得点とセンター対決では互角に持ち込むも、他の選手が沈黙。サクレ以外では4点のSR渋谷に対し、ドブラスを起点にバランス良く得点を挙げた北海道が41-30で前半を折り返す。
ベンドラメ礼生の連続得点、満原優樹のシュートなど第3クォーター残り6分で2点差まで詰め寄られるも、ここでトラソリーニが3ポイントシュートを決めると流れは再び北海道へ。桜井良太、多嶋朝飛がゴール下へのアタックから得点を挙げて突き放す。最終クォーターも試合をコントロールし、この日23得点のトラソリーニ、22得点のドブラスの2枚看板を軸に、常に2桁のリードを保つ危なげない展開で逃げ切った。
サクレが奮闘するもSR渋谷は負け越し
北海道のジョゼ・ネトヘッドコーチは、ディフェンスの勝利だったと試合を総括する。「自分たちがどういうチームかコートで証明できた。それはディフェンスであり、選手層の厚いSR渋谷を57点に抑えられた。ディフェンスをしっかりやれば勝てることを示した。コーチがどうこうではなく、選手たちが自分たちのやってきたことを信じ、それをコートで出してくれた」
そして「SR渋谷はタレント力のあるチーム。最初から最後まで同じゲームプランで守備をしたら抑えるのは厳しい。途中でスイッチなどいろいろなディフェンスをやることで、相手がやりたいことをできなくすることができた」と前日に比べて守備に変化をつけたことが、堅守につながった一因と振り返った。
一方、連勝を逃したSR渋谷において、21得点10リバウンドと奮闘したサクレは、「北海道は僕たちがよりフィジカルに戦い、ビッグプレーを決めた。また、自分たちはゾーンオフェンスがうまく行っていなかった」と敗因を語る。
「このスタイルで世界の強豪に勝ってきた」
これで北海道は、シーズン開幕戦こそ74失点を喫したが、以降は53点、67点、57点と相手をロースコアに抑えている。ネトヘッドコーチは「我々がやろうとしていることは、ボールにプレッシャーを掛けてコートを走り回るもの。一見するとクレイジーに見えるかもしれない。ただ、自分はブラジル代表、クラブにおいてこのスタイルで世界の強豪に勝ってきた」と、自身の目指す守備スタイルを説明する。
そして、「日本人選手たちは、私が求めることを遂行できる要素を備えています」と、これまで指揮したチームと変わらぬ堅守を北海道でも構築できると自信を見せる。
今後、北海道は17日と24日の平日に千葉ジェッツ、20日、21日、28日、29日に栃木ブレックスと対戦する。このタフな相手との連戦において、自分たちの目指す堅守がどこまで通用するか、非常に楽しみだ。