同点弾がノーカウント、命拾いした仙台が雪辱
B2プレーオフファイナル、ファイティングイーグルス名古屋vs仙台89ERSの第2戦は、終盤までもつれる接戦となった。
初戦を73-81で落とし後がなくなった仙台は、第1クォーターを15-31とされた前日の反省を生かし、立ち上がりの悪さを改善。ジャスティン・バーレルを筆頭にエルボーからのジャンプシュートをしっかりと沈めていく。また、インサイドでも身体を張り、相手のオフェンスリバウンドを0に抑えた。バーレルとデビン・オリバー、そしてジェロウム・メインセの3人で21得点と外国籍選手が奮起し、22-19で第1クォーターを終えた。
その後、仙台は3ポイントシュートになかなか当たりが来ない中で片岡大晴が2本の3ポイントシュートを沈めるなど、一時7点のリードを奪ったが、ブライアン・クウェリにこのクォーターだけで4本のオフェンスリバウンドを許し8得点を奪われるなど、再び高さに苦労し突き放すことができなかった。
第1クォーター以降、激しいディフェンスがオフェンスを上回る守り合いの状況が続いた。仙台は1点リードで後半を迎えたがタフなディフェンスを崩せず、このクォーターのフィールドゴール成功率が30%を切ってしまう。一方のFE名古屋もターンオーバーを重ねて思うようなオフェンスを展開できなかったが、フリースロー数で上回ったことで50-48と逆転して最終クォーターを迎えた。
一進一退の攻防がなおも続いたが、最終クォーター開始3分、バーレルのフリースローで1点をリードした仙台だったが、オフェンスを牽引していたそのバーレルがコートに足を取られて負傷しベンチに下がることに。これで不利になるかと思われたが、仙台はここで崩れなかった。メインセがチェイスダウンブロックで失点をギリギリで防ぐと、トランジションに移行し渡辺翔太が値千金の3ポイントシュートを沈めた。さらに岡田とのピック&ロールからメインセが豪快なダンクを決め、6点差でオフィシャルタイムに突入した。
緊急事態をチーム一丸で耐えた仙台は、残り4分にバーレルをコートに戻し勝負をかける。すると、そのバーレルがプットバックでセカンドチャンスをモノに、この試合最大となる8点までリードを拡大した。しかし、残り1分半に野﨑に3ポイントシュートを決められ、3点差まで詰め寄られると、続くポゼッションでもジョーンズに3ポイントシュートを決められてしまった。
同点に追いつかれたかに思われたが、シュートを打つ直前のルーク・エヴァンスのスクリーンがオフェンスファウルをコールされ、シュートはノーカウントに。こうして、最大のピンチを乗り越えた仙台はその後に失点を許さず、ファウルゲームで得たフリースローで加点し、69-64で勝利した。
仙台はバーレルがゲームハイの26得点を挙げてオフェンスを牽引したが、相手を70点以下に抑えたディフェンスでの勝利と言える。特にファウルを抑えつつフィジカルに守り、2本のブロックショットを記録したベテランの荒尾岳の働きは見逃せないものだった。
これでシリーズは1勝1敗のタイとなり、B2の優勝は明日の第3戦に持ち越された。