ファイティングイーグルス名古屋

オフィシャルタイムアウトを待たない判断が功を奏す

B2プレーオフファイナル、ファイティングイーグルス名古屋vs仙台89ERSの第1戦は、インサイドの攻防を制し、持ち味の得点力で前半に20点リードを奪ったFE名古屋が81-73で勝利した。

最初に主導権を握ったのはホームのFE名古屋。どこからでも得点ができるFE名古屋はペイントアタックからのキックアウトでシュートチャンスを作り出すと、アンドリュー・ランダル、ルーク・エヴァンス、ジェレミー・ジョーンズが3ポイントシュートを成功させ、開始3分で11-2と走った。

タイムアウトを取って反撃に転じようとする仙台だったが、FE名古屋のタフなディフェンスが気になってパスが雑になり、このクォーターだけで7個のターンオーバーを喫してそこから失点するなど、リズムが生まれなかった。一方のFE名古屋はターンオーバーを0に抑えつつ、連動したチームオフェンスを展開。リングへアタックし、ディフェンスを崩してからインサイド陣に合わせて得点を積み上げた。また、リバウンドの意識も高く、4本のオフェンスリバウンドを奪い、セカンドチャンスでも上回ったFE名古屋が31-15とロケットスタートを切った。

第2クォーターに入っても、ブライアン・クウェリが3本すべてのフィールドゴールを成功させ8得点を挙げるなど、インサイドで上回るFE名古屋が20点前後をリードして試合が進んだ。前線からのプレスやゾーンディフェンスなど、様々な戦術を駆使するFE名古屋ディフェンスをなかなか攻略できない仙台だったが、岡田泰希がタフなステップバックスリーを成功させると、ジェロウム・メインセの速攻、神里和のトランジションスリーと、テンポアップが功を奏し、残り3分半で12点差まで押し戻した。

それでも、FE名古屋もジョーンズが速攻から得点して悪い流れを断ち切ると、再び持ち味の得点力が爆発。ランダルが3点プレーとなるバスケット・カウントを奪えば、エヴァンスもセカンドチャンスポイントを獲得。そして、石川海斗が第2クォーター終了のブザーと同時にディープスリーを決め、10-2のランで締めくくったFE名古屋が54-34で前半を終えた。

後半に入ると、仙台はディフェンスの強度を高めてきたが、石川が強気なドライブから得点し、ディフェンスの裏をかいたバックドアなどで冷静にスコア。最大でリードを26点に広げるなど、このまま名古屋FEが押し切るかに思われた。しかし、あきらめない仙台は岡田の連続3ポイントシュート成功とバーレルの得点による8-0のランでこのクォーターを締めくくり、ビハインドを10点台に戻した。最終クォーターも仙台の追い上げムードは続き、残り5分6秒に神里の3ポイントシュートで13点差まで追い上げた。

オフィシャルタイムアウトをすぐに控えていたが、流れを切るためにFE名古屋はここでタイムアウトを要求した。そして、デザインプレーから野﨑零也が値千金の3ポイントシュートを沈め、オフィシャルタイムアウトを迎えた。結果的にこのタイムアウトの判断が勝敗を分けた。終盤に追い上げられたものの、残り1分半の時点で14点リードと、オフェンスで時間を使い、時計を進めつつ要所を締めたFE名古屋がそのまま逃げ切った。