第2クォーターを28-12と圧倒してリードを広げる
B2プレーオフセミファイナルで、B1昇格をかけて香川ファイブアローズと仙台89ERSが対戦。第1戦は仙台、第2戦は香川が制して迎えた運命の第3戦は、固いディフェンスから主導権を握った仙台が前半で26点リードを奪って、83-69で勝利した。この勝利により仙台はB1昇格、B2プレーオフファイナル進出を決めた。
立ち上がりから仙台が強度の高いディフェンスで24秒バイオレーションを奪ったり、ターンオーバーを誘発して主導権を握った。対する香川もテレンス・ウッドベリーのアタックや兒玉貴通が3ポイントシュートでのファウルを獲得して点差を詰めていく。
しかし、仙台はディフェンスでの勢いをオフェンスにも繋げた。コートにいる5人全員がリングにアタックし、ジャスティン・バーレルを中心にペイント内からの得点を量産していく。そして、香川のディフェンスが収縮すれば、今度はパスアウトして3ポイントシュートを決めていった。常にボールが動いていたことで、ワイドオープンでのシュートチャンスを作り出し、仙台は前半だけで3ポイントシュート16本中10本(成功率62.5%)成功させ、フィールドゴール成功率も脅威の70%(30本中21本成功)と完璧なゲーム運びで、前半だけで56得点を挙げた。
一方の香川は仙台の激しく、なおかつ固いディフェンスを前にボールが停滞。そのためパスの出しどころを失い、個々で無理やり攻めてはシュートがリングに嫌われて、ディフェンスリバウンドから相手に走られる悪循環に。オフボールでの動きも減った香川は前半だけで9ターンオーバーを犯し、そこから10失点(仙台は2ターンオーバー)となってしまった。それでも、積極的にシュートを放ち、なんとかリズムをつかもうとしたがシュート精度を欠き、3ポイントシュートは15本中1本成功、フィールドゴールも29本中9本成功(成功率31%)という厳しい状況に。
26点ビハインドで後半を迎えた香川は守備の強度を上げ、さらにゾーンディフェンスを敷いたりと変化をつけてリズムをつかんでいった。後半だけを見ると39-27と香川が上回ったが、前半での大量ビハインドを覆すには至らず、B1昇格を逃した。
仙台はバーレルが31得点8リバウンドを記録。他にも月野雅人が3ポイントシュート8本中4本成功の14得点、渡辺翔太と澤邉圭太もともに3ポイントシュートを2本成功させるなど、チーム全員でバランス良く得点を重ねて勝利をつかんだ。
ヘッドコーチ就任1年目にして、チームをB1に導いた藤田弘輝ヘッドコーチは「本当に素直にうれしいです」とB1昇格を喜んだ。「選手たち、特に長い年月を戦い続けた選手を始め、今年入ってきた選手たち、みんなで取りたかったゴールなのでそれを達成できてうれしいです」
そして、このプレッシャーのかかるゲームで戦い抜いた選手たちをこう称えた。「出だしがすべてでした。その後もインテンシティを高く、かつ冷静に40分間プレーした選手を誇りに思います」
これにより、2022-23シーズンのB1昇格チームはファイティングイーグルス名古屋と仙台に決定した。