アルバルク東京

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

守り合いが続くロースコアゲームに

シーホース三河とアルバルク東京の第2戦。強度の高いディフェンスを軸に、相手のやりたいオフェンスを遂行させなかったA東京が、失点を55に抑える完勝で開幕4連勝を飾った。

三河がアイザック・バッツからグラント・ジェレット、A東京ジャワッド・ウィリアムズからミルコ・ビエリツァと、それぞれ外国籍選手の登録に前日から変更があった。三河はそのジェレットがインサイドの力強さと広いシュートレンジを生かして内外から得点を重ね、第1クォーターで11得点を荒稼ぎ。ノーマークを作るもシュートが決まらないA東京を上回り、14-10と先行する。

続く第2クォーター開始早々、A東京にアクシデントが起こる。プレッシャーディフェンスを受けた際にひざが入った小島元基が負傷退場。そのまま試合に戻って来ることができなかった。

ともにディフェンスの強度が強い守り合いの展開が続く。松井啓十郎の超ロング3ポイントシュートでリードを7点に広げた三河だが、その後はインサイドにボールを入れられずポイントガードが孤立して得点が止まった。

A東京は負傷した小島の代わりに2ファウルの安藤がコートに立ち、3ポイントシュート、速攻を決めて同点に追いついく。簡単にボールを回させない強固なディフェンスでターンオーバーを誘って得点につないだA東京が28-24とリードして前半を終えた。

アルバルク東京

カークが復調し、本来の姿を取り戻したA東京が完勝

A東京がペースをつかんだのは後半、ここまで6本すべてのシュートが外れていたアレックス・カークが初得点を決めて調子を上げてきてからだった。カークがインサイドで起点となったことで、A東京のオフェンスは活性化。菊地祥平の速攻など開始4分で40-29と一気に突き放した。

三河はA東京のフィジカルなディフェンスの前にズレを作れず、最終的に個の力に頼らざるをえない状況に陥るが、金丸晃輔が菊地を中心とした徹底マークを受け、タフショットを打たされ続けた。単発でシュートは決まれど、悪い流れは覆すことができず、点差は開いていく。

最終クォーターに入っても、A東京のディフェンスの強度は落ちない。連動したオフェンスからカークがレイアップを沈め20点差にしたところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。ここから三河は森川正明が果敢にリングにアタックするなどセカンドユニットが闘志を見せるも、点差を1桁に縮めるのが精いっぱい。

A東京は慌てることなく試合を締め、開幕から4連勝を達成。エース比江島慎の退団による穴を埋められず苦しむ三河を相手に攻守の安定感で上回り、前年度王者の貫禄を見せた。