琉球ゴールデンキングス

文・写真=鈴木栄一

エアーズが攻守に活躍、チームを快勝に導く

10月14日、琉球ゴールデンキングスが本拠地で名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。ジェフ・エアーズが3ポイントシュート5本成功を含む26得点を挙げてオフェンスを牽引すると、守備でも大きく崩れることなく79-68で前日に続いて勝利。これで開幕4連勝を達成している。

第1クォーター、琉球はエアーズと古川孝敏の3ポイントシュートなど開始2分で11–2と先行すると、アイラ・ブラウンまで5本の3ポイントシュートを成功させて21-14と先手を取る。名古屋Dは小林遥太がテンポよくパスを散らし、守備の隙を突いて自らも得点を挙げてこのクォーターに6得点5アシスト。クレイグ・ブラッキンズの奮闘もあり、38-42と追い上げて前半を終える。

それでも琉球は相手に行きそうな流れをここで断ち切る。守備でギアを上げ、この10分間の失点をわずか12点に抑えると、攻撃ではエアーズが好調を維持。そしてジョシュ・スコットがゴール下で得点を量産し、2人で計18得点と大暴れ。リードを一気に14点にまで広げた。

第4クォーター、琉球はアイラがダンクに行った張本天傑を豪快なブロックで阻止するなど要所を締め、そのまま危なげなく逃げ切った。

琉球ゴールデンキングス

優勝を見据える指揮官、快勝にも気は緩まず

琉球にとっては1点差で競り勝った前日に比べると楽な展開となったが、佐々宜央ヘッドコーチは「昨日よりステップアップしました。(ジャスティン)バーレルを抑えることができ、結果的に失点が60点台なのは良かったですが……」と煮え切らないコメント。

その要因として、「試合終盤におけるオフェンスが課題で、トドメを刺しにいける状況でフワッとなってしまいました。先週の秋田との2試合目もそうで、それで最後に3点差まで追い上げられました。今日も、ここで相手にシュート1本入っていたら分からなかった場面はありました。2桁リードしてもすぐに点差は詰まってしまう。バスケットボールはそういうものです」と課題を挙げる。

また、大きな注目を集めている並里成、岸本隆一、橋本竜馬のガードコンビについても、「ファンタジスタがコーチの言うことばっかり聞いていたら面白くない。僕が試合中のプレーコールで指示することはないですが、中をもっと攻めればいいなと思ったりしました」と後半に入ってインサイドアタックが機能していたのに、そこをうまく使い切れていなかった部分があったと指摘する。

開幕4連勝とはいえ、このように佐々に厳しい発言が続くのは優勝だけを見据えているからだ。具体的には10月下旬からの3週間にかけて、川崎ブレイブサンダース、千葉ジェッツと2試合、アルバルク東京と4試合と、強豪との対決が続くからこそ。一つ歯車が崩れると、すぐに黒星先行となってもおかしくないとの危機感を持っている。だからこそ「開幕4連勝はうれしいですが、むしろ、ここで勝っておかないと厳しいかなという感覚もありました」と佐々は言う。

ただ、課題ばかりでなく収穫もあり、「特に田代(直希)と須田(侑太郎)はアピールの気持ちが強く、自分の色を出そうとしているのはコーチとしてうれしいです」とベンチメンバーの奮闘を頼もしく感じている。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

「あと少し」足りなかった名古屋Dは連敗

名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチは「この2試合、琉球さんのディフェンスが素晴らしく僕たちのやりたいことがあまりできませんでした。正直、点数は開いてしまいましたが、昨日と同じであともう少しでした」と振り返る。この『あと少し』については「最後のリバウンドのところなどで、やられてしまいました。自分たちに流れをもっていかなければいけない時間帯で、あともう少し我慢できなかったです」と語った。

連敗と厳しい結果となった名古屋Dだが、笹山貴哉の欠場をうけ先発した小林が、12日の7得点6アシスト3リバウンドに続き、この日は11得点9アシスト4リバウンドと活躍しているのは明るい話題。12月、今度はホームで行われる再戦に向けてチーム力を高めていきたいところだ。