ジョナサン・クミンガ

「ウォリアーズで成長するチャンスを与えてもらって、誰よりも幸運」

現地5月7日に行われたプレーオフ西カンファレンスセミファイナル第3戦で、ウォリアーズの新人、ジョナサン・クミンガが歴史に名を刻んだ。

クミンガは、史上最年少となる19歳でプレーオフ先発出場を果たしたグリズリーズとの第3戦で、18分の出場でフィールドゴール10本中8本成功の18得点を記録し、142-112での勝利に貢献した。

試合翌日の会見に出席したクミンガは、第3戦の前日にヘッドコーチのスティーブ・カーから先発出場を伝えられたと明かした。「コーチから先発と言われて驚いたし、うれしかった。コーチからは『シーズンを通して良いプレーができている。これからも同じようにやってくれ』と言ってもらえた」

高校時代から高く評価されていたクミンガは、アメリカの大学には進学せず、育成目的で設立されたGリーグのイグナイトに入団し、2021年のNBAドラフト全体7位でウォリアーズから指名された。レギュラーシーズンは出場した70試合中12試合で先発を任され、平均プレータイム16.9分で9.3得点、3.3リバウンドを記録した。

しかし、優勝経験が豊富なベテランが多いウォリアーズでは、ドラフトトップ10ルーキーでもプレータイムは限られてしまう。自分より出場機会が多く、コートで躍動した2021年組の同期のプレーを見て、やきもきすることがあったかと聞かれたクミンガは「気にならない」と答えている。

「以前も同じような質問をされたことがあった。その時にも答えたけど、他の選手のことを気にし始めたら、気持ちが乱れてしまう。試合で自分の力を示したいと思うかもしれないけど、僕はそういうタイプではない。必要ないことまで証明しなくていい。僕はこのチームで成長するチャンスを与えてもらって、誰よりも幸運だと思っている。チームの全員が、僕の成長を日々見てくれている。それが何よりも大事だと思う」

「僕はこのチームのルーキーで、一定の出場機会を与えてもらっている。チームのみんなが僕の先輩だし、ドレイモンド(グリーン)、アンドレ(イグダーラ)がいつも話をしてくれる。ステフ(ステフィン・カリー )も折に触れて話をしてくれるし、クレイ(トンプソン)も僕を気にかけてくれている。チームの大半の選手が僕に助言してくれているんだ」

どれだけ能力が高くても、1年目の選手がプレーオフのカンファレンスセミファイナルで先発に起用されるケースは稀だ。大舞台でチームの期待に応えたクミンガは、自分の力に自信を持っていると言う。「自分の力を信じているし、常に『どんなことでも実現させられる』と思ってやっている。シーズンが進む中で、もっとやれると思っていた部分もあるけど、しっかりやれていると思うよ」

「辛抱強くやらないといけない。自分自身にも『このプロセスを信じないといけない』と言い続けてきた。もっと試合に出て、もっと長くプレーして、活躍したい気持ちもあるけど、辛抱強くやらないといけないし、チャンスを待たないといけない。先発出場の機会をもらえたり、出場できない試合もあったけど、自分を信じて努力し続けないといけないんだ」