富樫勇樹

「琉球の強みであるリバウンドで完全にリズムに乗せてしまったと思います」

5月4日、千葉ジェッツは敵地に乗り込んで琉球ゴールデンキングスと激突した。地区1位同士の対決かつ、沖縄アリーナにクラブ主管試合ではBリーグ最多記録となる8263人が足を運んだことで大きな注目を集めた一戦で84-92と敗れてしまった。

第1クォーターは五分で終えた千葉だったが、第2クォーターに入るとゴール下の争いで劣勢となって前半で2桁のリードを許す。第3クォーターに入っても悪い流れは続き最大で25点の大量リードを奪われた。そこから富樫勇樹、ジョン・ムーニーらの奮闘によって意地を見せ第4クォーター序盤には6点差にまで縮めるが、要所で琉球のオフェンスを食い止められず逆転することはできなかった。

「ポゼッションゲームで上回れてしまい、琉球さんの得意なセカンドチャンスポイントを消せなかったのが敗因だと思います。自分たちが準備してきたものをコートの中で出せなかったです」。大野篤史ヘッドコーチがこう振り返るように、千葉はオフェンスリバウンドで5-15と劣勢となり、セカンドチャンスポイントで5-19と大きく差をつけられたのが響いた。

また、この試合11得点9アシスト3スティールを挙げた富樫も「試合前からもちろん言っていたところですが、琉球の強みであるリバウンドで完全にリズムに乗せてしまったと思います」と敗因を語る。

富樫勇樹

立ち上がりの悪さを修正することが地区優勝への鍵を握る

これで千葉は、川崎ブレイブサンダースと1試合、宇都宮ブレックスと2試合、今回の琉球とリーグ上位との対戦が続いたとは言え、ここ4試合で3敗を喫している。それでも引き続き東地区1位の座をキープしており、今週末にホームで開催されるサンロッカーズ渋谷との2試合に連勝すれば、他チームの結果に関係なく地区優勝となる。

SR渋谷も他力本願であるが、ワイルドカード最後の切符を獲得できる可能性を残しており激戦となることが予想される。ただ、ここで東地区を制しチャンピオンシップでのクォーターファイナル、セミファイナルのホーム開催権を得ることは、千葉にとってリーグ連覇に向けた大きな鍵となる。

富樫は船橋アリーナでポストシーズンを戦うことが、どれだけ重要なのか強調する。「ホームとアウェー、どちらで試合をするのかは大きく違ってきます。今シーズンはここまでホームで2敗しかしていないです。結果として出ていますし、なんとしてもチャンピオンシップはホームで開催しないといけないです」

今週末、まず注目したいのは試合の立ち上がりだ。直近の敗れた3試合、川崎戦の3-21を筆頭に宇都宮戦は0-11、琉球戦は0-9と出遅れており、これを繰り返すようだと苦しくなる。今の千葉は決して良い流れではない。だが、明日から行われる2試合を勝ち切って地区優勝を決めホームコートアドバンテージを獲得し、あらためて船橋アリーナでの強さに自信を深めることができれば、一気に状況を好転できるはずだ。

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