写真=Getty Images

ローズが全盛期を思わせるドライブ、ポルジンギスも爆発

この夏のチーム再編に伴いブルズから放出されたデリック・ローズとヨアキム・ノア。長くブルズを支えた2人が、ニックスの選手としてシカゴに戻って来た。

前日、ケビン・デュラントが古巣と対戦したウォリアーズvsサンダーでは、デュラント一人がやる気に満ちていた以外は淡々としたものだったが、この試合は歓迎ムードの中で行われた。ユナイテッド・センターのファンは2人の『功労者』を温かく迎え入れ、場内のスクリーンにはブルズ時代の2人のハイライトムービーが映し出された。

もっとも、勝敗のことを考えればローズとノアにこれだけ気持ち良くプレーさせてはいけなかったのかもしれない。試合終盤、ニックスに勝利をもたらす決定的な働きをしたのがこの2人だった。

第4クォーター開始時点で84-81とニックス3点リードの接戦。ここからニックスが走る。ノアが背中で相手を押し込みつつ反転してジャンプシュートを放つパワフルな得点で口火を切ると、クリスタプス・ポルジンギスの3ポイントシュートが決まる。ノアがオフェンスリバウンドを奪ってのセカンドチャンスからポルジンギスがファウルを受けフリースローを2本沈め、今度は速攻からポルジンギスがダンクを決めてと、第4クォーター開始から10-0のランで一気に突き放す。

ブルズもドゥエイン・ウェイドの3ポイントシュート、ジミー・バトラーの混戦をすり抜けるドライブからのレイアップなどで必死の追い上げを見せるが、ローズのビッグプレー2つが勝負を決めた。

ローズはブルズでの全盛期を思い起こさせるような鋭いドライブから、バトラーとタージ・ギブソンのブロックの上を行くレイアップを沈める。これがバスケット・カウントとなりフリースローもきっちり決めると、次の攻撃機会でも果敢にアタック。今度はドライブで仕掛けて相手の注意を十分に引き付け、体勢を崩しながらもベースボールパスを左コーナーで待つカーメロ・アンソニーに通して3ポイントシュートをアシスト。残り50秒で114-104とし、勝利を決定付けた。

ローズは15得点11アシスト7リバウンドのダブル・ダブル、ノアは16得点9リバウンド。2人とも数字以上に、勝負どころで大きな働きを見せ、ブルズとそのファンの前で健在ぶりをアピールした。ポルジンギスは今シーズン最多の27得点と爆発。ブルズはウェイドが5本の3ポイントシュートを含む35得点、バトラーも26得点を挙げたが、2人への依存が強く、特に終盤は息切れを起こした。

開幕から好調のバトラーとウェイド。この日はスタッツこそ良かったがチームとしては噛み合わなかった。