第1クォーターから攻守に圧倒し、前半終了時点で26点差をつける
川崎ブレイブサンダースは新潟アルビレックスBBとの第2戦で、今シーズン最多得点となる110-70での快勝を収めた。
川崎はパブロ・アギラールを3番に起用するビッグラインナップを先発から起用。対する新潟もコービー・パラス、チリジ・ネパウェ、ロスコ・アレンを同時起用するオン3で挑んだが、アギラールがパラスとの高さのミスマッチを突いて新潟ディフェンスのヘルプを引きつけては味方のスペースを作り出していく。
立ち上がりから人とボールが連動して動いていた川崎は、シュートタッチが良いジョーダン・ヒースにボールを集めると、ヒースは第1クォーターだけで3ポイントシュート2本を含むフィールドゴール5本すべて成功の12得点を記録。また、川崎らしい堅守で新潟のフィールドゴール成功率を35%に抑え(川崎は66%)、さらに第1クォーターだけで7ターンオーバーを誘発して主導権を握った。その後も川崎はタイムシェアを行いつつ、出てくる選手が攻守に役割を全うすることで56-30と大量リードを奪って前半を終えた。
しかし、佐藤賢次ヘッドコーチが「前半からディフェンスでゲームプランを遂行してくれて、昨日できなかったことを質を高くやってくれました。ただ、第3クォーターは緩くなってしまったので、そこは課題です」と振り返ったように、第3クォーターになると単発なプレーが続き、開始5分間で3ターンオーバーを犯し、8-15と新潟に多くの得点を許した。
たまらず佐藤ヘッドコーチはタイムアウトを要求。その時の選手への指示をこう明かす。「ちょっと緩くなっていて、リバウンドを引っ掛けられたり、簡単なターンオーバーが多かったので、『もう一回川崎のバスケットを見せましょう』ということ、あとは今日の目標を再確認しました。オフェンスは一個指示をして落ち着かせて、その後、また流れが来たので良かったです」
第3クォーターだけを見れば27-26と点の取り合いとなったが、その中でもしっかりと20点前後のリードを保ち、最終クォーターを27-14と圧倒して、40点差を付けての快勝となった。川崎はアギラールが23分37秒のプレータイムで20得点7リバウンド2アシスト1スティール1ブロックを記録し、出場時の得失点差を表すプラスマイナスでは驚異の+37を挙げてチームに貢献した。他にも5選手が2桁得点を記録し、12人全員がコートに立ってチーム一丸で勝利をつかんだ。
「今まで積み重ねて成長してきた川崎のバスケを見せるのが目標」
今回対戦した新潟は新型コロナウイルスの影響でチーム活動を休止し、4月21日に活動再開したばかりだった。また、現在東地区3位の川崎に対し、新潟はリーグ最下位とシーズン戦績でも差があり、前半終了時点で20点以上のリードを奪いながら、その後も集中力を切らさずに戦うには逆に難しさがある。
それでも、目標であるリーグ優勝に向けては、目の前の一戦一戦で学び、成長していかなければならない。佐藤ヘッドコーチは「昨日今日の2試合、そして水曜と次の土日の計5試合が最後のホームゲームなので、今まで積み重ねて成長してきた川崎のバスケを見せるのが目標でした」と言う。
「試合前にミーティングをして、今日達成しようと話した部分は多くの時間で選手が頭に入れながらやってくれました。昨日よりも今日の方が良い試合ができていたと思っていて、今日よりも水曜日は良い試合をしようと思っています。このホームでどれだけウチのバスケットを表現できるかがすごく大事なので、勝つための準備をしながら勝つだけじゃなくて、ウチらしいバスケットを40分間見せ続けることにフォーカスしていきたい」
そして佐藤ヘッドコーチは、この試合で見せたあるプレーを『川崎らしいプレー』と語った。第3クォーター残り6分45秒、川崎はターンオーバーからパラスに走られてしまい、速攻を決められそうになった。それでも、ヒースが全力で走って戻り、パラスのシュートを後ろからブロックで阻止してみせた。
佐藤ヘッドコーチは言う。「第3クォーターのターンオーバーの後に、J(ヒース)と(藤井)祐眞が最後まであきらめずにブロックして止めてくれたシーンがありました。あれが川崎の魂というか軸というか、全員がやるべきプレーなので、ああいう最後まであきらめない姿勢を、こことどろきで表現できるようにしたいです」
川崎は次戦で東地区首位を走る千葉ジェッツをホームに迎え、シーズン最後のホームゲームとなる次の週末にはアルバルク東京を迎える。東地区上位チームとの厳しい戦いが続くが、佐藤ヘッドコーチが言う『川崎のバスケ』をホームでファンに見せることができるか。引き続き、注目したい。