ケンバ・ウォーカー

写真=Getty Images

ポポビッチの右腕がチームを改革

2015年から2018年まで名将グレッグ・ポポビッチの右腕(アシスタントコーチ)を務めたジェームズ・ボーレゴは、今シーズンからホーネッツの指揮を執ることとなった。そして、チームはドライブからのキックアウトを軸とする『スペース&シュート』をスローガンに掲げた。

ボーレゴがまず取り組んだのは、プレーのスピードアップだった。オフにインサイドの要だったドワイト・ハワードを放出したのも、よりスピーディーな攻撃をしかけるためで、見る側も、コートでプレーする側も楽しいバスケットボールを展開しようとしている。そのためボーレゴは、練習から速いオフェンスを意識させる工夫を凝らしている。ガードのマリーク・モンクは、『The Charlotte Observer』に「昨シーズンより段違いに速い。ここまで速いプレーを身に着けようとしているなんて、クレージーさ。練習では、ショットクロックも12秒か14秒に設定してあるんだ。プレーをスピードアップさせるためにね」と語った。

「(ドライビングレーンは)かなり広がっている」と、モンクは続ける。「あちこちにシューターがいるから、ボールハンドラーのヘルプに入れば、オープンな状態で3ポイントシュートを打てる。うっとりするね」

プレシーズンの段階ではあるが、ホーネッツはポゼッション数でリーグ10位(109.11)で、昨シーズンの100.53より9回近く増えている。相手に守備をセットされる前に攻撃をしかける意識は、確実に浸透しつつある。リバウンドや相手のターンオーバーから攻撃に転じる場合、ポイントガード以外のポジションの選手にもボールを前に運ぶことを許すなど、オフェンスのスピードアップが徹底されている。

プレシーズンの3ポイントシュート試投数も33.0本で、昨シーズンの27.2本より約6本も多い。また、トップ・オブ・ザ・キーよりもゴールまでの距離が短いコーナーからの3ポイントシュートが多いのも目立つ。その影響からか、コディ・ゼラーやビリー・エルナンゴメスら、シュートレンジが広く、動けるセンターの出場時間が増え、トラディショナルなビッグマン型のビズマック・ビオンボの出場機会は目に見えて少ない。

フランチャイズプレーヤーであるケンバ・ウォーカー以外の先発は未定だが、ボーレゴ流のチームが形になれば、ホーネッツは東のダークホースとして、プレーオフ争いを盛り上げるかもしれない。