カイル・ラウリー

第1戦はヤングをフィールドゴール12本中1本成功に留める堅守を見せる

東カンファレンス首位ヒートとプレーイン・トーナメントを勝ち上がり第8シードを獲得したホークスによるプレーオフファーストラウンド初戦は、ホークスのエース、トレイ・ヤングをわずか8得点に抑えたヒートが115-91で快勝した。

先制点こそホークスに許したが、すぐにジミー・バトラーの3ポイントシュートで同点にすると、その後は試合を通じて一度もホークスにリードを許すことなく、最大32点のリードを奪ってヒートが勝利した。ヒートはベンチから出場したダンカン・ロビンソンが3ポイントシュート9本中8本成功を含むフィールドゴール10本中9本成功でゲームハイの27得点を記録し、バトラーが21得点6リバウンド4アシストを挙げた。また、健康安全プロトコルにより4月8日以来の出場となったバム・アデバヨが6得点6リバウンド5アシストながら出場していた時間帯の得失点差を表すプラスマイナスでは、バトラーに並ぶゲームハイの+27を記録して勝利に貢献した。

ヒートのフィールドゴール成功率が52.4%だったのに対し、ホークスは38.7%に留まった。特にヒートはヤングに対して、スイッチディフェンスやダブルチームで徹底マークし、キャリアワーストに並ぶフィールドゴール成功率8.3%(12本中1本成功)の8得点に抑えた。

大事なプレーオフ初戦で今シーズン最小得点に留まったヤングは、プレーイン・トーナメント2試合を経てからのプレーオフ初戦を迎えたタフなスケジュールに対し「確かに足は重いけど、彼らを褒めるべきだ」と言い訳せずにヒートディフェンスを称えた。「彼らは積極的に仕掛けてきて、ものすごいエネルギーで向かってきていた」

バトラーは「彼は常にディフェンスを崩して、ヘルプが寄るように仕掛けてくる」とヤングについて試合後に語り、この試合での手応えを続けた。「もしヘルプが来なければレイアップかフローターを決めるし、ヘルプに行けばフリーになった仲間に的確にパスを出す。ファウルをせずに、とにかく足を動かして彼を守れたことは素晴らしかった」

それでもバトラーを含め、ヒートの選手たちはヤングが必ずバウンスバックしてくると警戒している。PJ・タッカーが「彼はもっとアグレッシブになるだろうし、もっとシュートを打ってくるはずだ。僕たちも同じようなエネルギー、もしくはそれ以上のものを持たなければいけない。彼はもっと良くなってくる」と言うと、カイル・ラウリーも「彼は爆発すると思う。でも、僕たちは我慢して、自分たちがやるべきことを続けるしかない」とヤングを警戒した。

そして、ヒートの指揮官エリック・スポールストラも「私たちは激しさを持ち続けなければならない」と語る。「ホークスは大量得点を挙げられるチームだし、トレイ・ヤングはどんな時でも爆発してくる選手だ。もし私たちがリラックスしてしまって、彼に2、3本のシュートを許したら、彼は止まらないだろう。彼は能力がある選手だ。だからこそ、私たちは今日の試合は過去のものにして、GAME2の準備をしなければいけない」

一方、敗れたホークスの指揮官ネイト・マクミランは「マイアミは別の次元でプレーしていた」と振り返った。「彼らはこの試合で、プレーオフで戦うために私たちが到達しなければいけないもう一つのレベルがあることを見せてくれた」

第1戦はヒートが圧勝したが、彼らが警戒するようにホークスは立て直してくるだろう。ヤングは「シリーズを制するには4試合に勝たないといけない。1勝すればすべてというわけじゃない。もし、そうなら昨シーズンの僕たちはファイナルに進出していただろうね」と言い、第2戦に向け「僕たちはこの状況を変えられると確信している」と意気込んだ。