富士通が勝てば14年ぶり2回目、トヨタ自動車が勝てば2年連続2回目の優勝
Wリーグは明日(4月16日)から、いよいよプレーオフのファイナルを迎える。
Wリーグ初となる代々木第一体育館で開催されるファイナルの舞台に立つのは、富士通レッドウェーブとトヨタ自動車アンテロープスだ。富士通が勝てば14年ぶり2回目、トヨタ自動車が勝てば2年連続2回目の優勝となる。3人制バスケ『3×3』を含めると東京オリンピックメンバーが富士通は4人、トヨタ自動車が5人と、選手層が厚いチーム同士の対戦となった。
富士通の町田瑠唯が「全体的にリバウンドやフィジカルが強いので、そこで負けないように全員でやっていきたい」とトヨタ自動車について語れば、オコエ桃仁花も「日本代表選手が多くて選手層が厚い。リバウンドがすごく強いので、リバウンドが勝敗を分ける印象」と続ける。
一方、トヨタ自動車の山本麻衣は「町田選手を中心としたオフェンス力のあるチームなので、自分たちのディフェンスでどれだけ点数を抑えられるかが鍵」と言い、馬瓜ステファニーは年末の皇后杯で富士通に敗れた経験を踏まえて、こう続けた。「皇后杯では自分たちの得点を抑えられて、なかなか私たちのリズムに持っていくことができなかったので、私は富士通のディフェンスをすごく警戒しています」
富士通は司令塔の町田を中心としたボールムーブからの3ポイントシュート得意とするチームで、トヨタ自動車はエブリンとステファニーの馬瓜姉妹やシラ・ソハナ・ファトー・ジャ、長岡萌映子、河村美幸などインサイドではリーグ随一のタレント集団を誇るチームだ。
オフェンスの強みは異なるが、両チームともに『ハードな守備』を大事にしている。町田が「チームとしてシュート確立があまり上がっていなかったですが、しっかり大事な時間帯でディフェンスで我慢して勝ち切れた」と振り返ったように、富士通はENEOSとのセミファイナルで平均55.5失点の堅守を見せた。
対して、トヨタ自動車もシャンソンを相手に平均60.0失点と、こちらも堅守で主導権を握った。山本が「ディフェンスはトヨタの武器でもある」と言えば、ステファニーも「ディフェンスが自分たちのオフェンスの始まりでもあると、普段から監督も言っています」と続ける。「シュートがどれだけ入らなくても、ディフェンスだけはしっかりしろと言われているので、一人ひとりの意識はすごく高く持てています」
「お互いに全力でプレーして最高のゲームになれば」
冒頭でも触れたように、今回のファイナルはWリーグでは初めての代々木第一体育館での開催となる。女子日本代表チームが日本バスケット界史上初となる銀メダル獲得の快挙を成し遂げた東京オリンピックは、無観客での開催だったため、選手たちの戦いぶりを会場で見てもらうことはかなわなかった。
もちろん、試合が始まれば両チームは敵同士となり、戦いを繰り広げる。それでも、第一に『同じバスケットボール選手』であり、『日本のバスケを盛り上げたい』という考えがある。
町田は「代々木第一体育館で試合ができるのは、本当に久々なのですごく楽しみです」と言うと、「たくさんのファンの方に会場に足を運んでもらって、富士通ファン、トヨタファン、ファイナルを見に来てくれた人たち全員で、最高の雰囲気を作れるファイナルになれば」と語った。
オコエも「ファイナルでは日本のバスケを盛り上げられるような白熱した戦いをする」と意気込みを語り、トヨタ自動車のステファニーも「お客さんがいることで試合の雰囲気も変わって来ると思うので、私自身はすごくお祭り騒ぎになればいいなと思います」とファイナルに向けてコメントした。
新型コロナウイルスの影響により、レギュラーシーズンでは一度も顔を合わせることがなかった富士通とトヨタ自動車が、奇しくもシーズン最後の戦いであるファイナルで対決することとなった。オンライン会見に登場した町田、オコエ、山本、ステファニーの全員が「レギュラーシーズンは2試合とも中止になってしまって、ファンの皆さんには申し訳なかったです」と口を揃えてコメントし、町田は「今回、ファイナルでこの2チームが揃ったので、お互いに全力でプレーして最高のゲームになればと思います」と意気込みを語った。
富士通vsトヨタ自動車によるプレーオフ、ファイナルは第1戦が4月16日(土)18時から、第2戦を17日(日)18時、1勝1敗となった場合に行われる第3戦が18日(月)の19時から代々木第一体育館で行われる。