ケビン・デュラント

アンドレ・ドラモンドがキーマン!?

プレー以外の話題に事欠かなかったネッツは、まさかのプレーイン・トーナメントへと回ることになりましたが、わずか1勝の差で8位以上が確定すると、キャバリアーズとの直接対決の結果で7位になりホームコートアドバンテージを手にしました。1週間前に行われた両チームのシーズン最後の対戦は白熱した展開をネッツが制しており、プレーインでも再現したいところです。

何が起こるか分からない1発勝負とはいえ、1試合であればケビン・デュラントとカイリー・アービングに無理をさせて勝ち切る作戦も採用しやすくなります。4月に入ってから2人は共に40分を超えるプレータイムで平均得点も30を超えており、スーパースターのワンツーパンチで強引に勝利をもぎ取ってきました。プレーインでは交代せずに戦い抜く可能性もあります。

チームの半分を占める2人のフィールドゴールアテンプトですが、明確に止める手段はないだけに、ネッツがすべてを託すだけの価値があります。周囲にはセス・カリーやパティ・ミルズといったシューターも揃えており、火力全開で打ち勝つのがネッツのスタイルだけに、オフェンス中心のハイスコアゲームを目指してくるはずです。

一方のキャブズは3人のビッグマンを並べ、インサイドカバーを厚くするスタイルで躍進を遂げたシーズンとなりました。オフェンスでも必ずミスマッチが生まれるだけに、ポストアップからの押し込みは大きな武器であり、しかも複数の選手が使えるのでバランスの良いアタックにもなります。ディフェンス優先のロースコアゲームを挑み、堅実なシュートチョイスで優位に立ちたいところです。

また、エースのダリウス・ガーランドがスピードでかく乱し、3ポイントシュートへと繋げていく形もできており、アウトサイドからの得点パターンも持っています。ボールを動かしネッツディフェンスに的を絞らせず、バランスの良いハーフコートオフェンスを展開していくことがキャブズが勝つためには必要です。逆にシュートミスが続いてトランジションが増えてしまうとネッツのペースに巻き込まれるため、オフェンスの時間を長くするゲームメークも大切です。

この試合のキーマンになるのは、昨シーズン途中までキャブズにいたアンドレ・ドラモンドです。ネッツで唯一フィジカルファイトを得意とするファイターが、1人でリバウンドを制することができればキャブズの長所を潰すことができます。直近の対戦でも5つのオフェンスリバウンドを奪って勝利に貢献しています。

キャブズはオールスターにも選ばれたジャレット・アレンが1カ月ほど欠場していることが響いており、得意としていたインサイドで勝ち切れないのが苦しく、シーズン終盤はディフェンスが安定せず成績が下降気味でした。若いチームではありますが、勢いに任せたオフェンス勝負ではなく、粘り強いディフェンスから全員でリバウンドをキープし、スローダウンさせた我慢のオフェンスで勝機を見い出したいところです。