山本麻衣

すべてのクォーターを15失点以下に抑える堅守で主導権をつかむ

4月9日、昨シーズンのWリーグ女王、トヨタ自動車アンテロープスがプレーオフに登場した。レギュラーシーズンを2位で終えたトヨタ自動車はセミファイナルがプレーオフ初戦となったが、序盤から足を動かしたハードな守備に加えて、高さとフィジカルを生かしてインサイドを制し、シャンソン化粧品シャンソンVマジックとのGAME1を80-57で勝利した。

15得点8リバウンド6アシストの活躍でチームを牽引した馬瓜エブリンが「前半でどれだけウチがディフェンスで頑張れるかを意識していました」と振り返ると、司令塔の山本麻衣も「今日は前半で支配できた試合でした。シャンソンと戦う上ではそこが大事なので、できて良かったです」と、ゲーム序盤で相手にペースをつかませなかったことを勝因に挙げた。

レギュラーシーズンの戦績ではトヨタ自動車が2戦2勝としていたが、シャンソンはクォーターファイナルで髙田真希、赤穂ひまわりといった日本代表の主力を擁するデンソーアイリスを撃破して、ここまで勝ち上がってきた勢いに乗るチームだ。それだけに、2人が語ったように出だしで主導権を握れたことは大きかった。

ほとんどの時間帯でトヨタ自動車が2桁リードを維持していたが、シャンソンのハードな守備に手を焼き、得点が停滞する時間帯もあった。そのため山本は「自分たちの良い流れになった時はありましたが、第3クォーターの途中で追い上げられそうになったので、明日はもっと走って突き放せるように出だしからディフェンスでしっかり入りたい」と気を引き締める。

馬瓜エブリン

「出た時に全員がそれぞれ仕事をできるのが持ち味」

第1戦は各クォーターの失点を15点以下に抑える守備力を見せただけに、エブリンも「ディフェンスがかなり良かったので、守備からのブレイクで良い流れを作れていました」とチームディフェンスの手応えを語る。

しかし、もう後がないシャンソンは第3戦に繋ぐためにも、明日の第2戦は今日以上にエナジー全開のプレーでトヨタ自動車に挑んでくるはずだ。そのため、エブリンは「明日も同様にと言いたいですが、2戦目でそれぞれ足にくるところがあるかもしれません」としつつ、第2戦に向けてこう意気込みを語った。「ウチは出た時に全員がそれぞれ仕事をできるのが持ち味です。誰が出てもディフェンスとブレイクを意識して、みんなが役割を果たせばしっかりと勝利をもぎ取ることができると思います」

トヨタ自動車は三好南穂以外の先発4人が2桁得点を記録し、ベンチから出場した川井麻衣も3ポイントシュート3本すべて成功を含む10得点、河村美幸も6得点5リバウンドでチームの勝利に貢献した。

エブリンが言うように、トヨタ自動車が第2戦でもチーム全員がそれぞれの役割を全うして、連勝でのファイナル進出を決めることができるか。トヨタ自動車vsシャンソンのGMAE2は明日4月10日、17時ティップオフだ。