リバウンドを52-34とトヨタ自動車が圧倒して主導権を渡さない
Wリーグは、今日から2戦先勝方式でのプレーオフセミファイナルを代々木第二体育館で開催している。
9日の第1戦で昨シーズン優勝チームのトヨタ自動車アンテロープスと、セミクォーターファイナルから勝ち上がってきたシャンソン化粧品シャンソンVマジックが対戦した。シャンソンは李玉慈ヘッドコーチが陰性ではあったものの、新型コロナウイルスの濃厚接触者と判定されたことからセミファイナルには帯同せず、アシスタントコーチの鵜澤潤が代行として指揮を執った。
ともに出だしからアグレッシブなプレーを見せる中、トヨタ自動車が先手を取る。インサイドで馬瓜エブリンと馬瓜ステファニーがフィジカルを生かしたプレーで立て続けにファウルを奪い、フリースローをモノにしていく。インサイドだけでなく、トヨタ自動車は常に人とボールが連動した流れるようなバスケットを展開して主導権を握った。ディフェンスでも全員が足を動かしてトラベリングを誘発するなど、ハードな守りを見せる。対するシャンソンもディフェンスリバウンドからの速いバスケットを試みるが、後ろから追いかけてきたステファニーのブロックを浴びるなど、なかなかチャンスを生かすことができない。
21-14とトヨタ自動車のリードで迎えた第2クォーター。ともにディフェンスの強度を上げる中、シャンソンはトヨタ自動車のインサイド陣にポジションを取らせないハードな守りを見せ、点差を詰めていく。しかし、トヨタ自動車はハーフコートでのオフェンスが難しくなると、山本麻衣がボールプッシュし、シラ・ソハナ・ファトー・ジャとステファニーが前を走ってはイージーシュートを決める。さらにベンチから出場した川井麻衣もディフェンスリバウンドを奪うと自らボールを運んで3ポイントシュートを決めて、トヨタ自動車が2桁リードを維持して前半を終えた。
38-28で迎えた後半、立ち上がりからステファニーのフリースローに山本のミドルシュートでトヨタ自動車がリードを広げる。さらに前からプレッシャーをかけてシャンソンからパスミスを誘発するなど、強度の高いディフェンスを見せる。そして、シュートタッチの良い川井のシュートチャンスをチームで演出すると、その川井は第3クォーターでも2本の3ポイントシュートを沈めてみせた。また、後半になってこの試合で初めて登場した長岡萌映子も力強いプレーでファウルを誘発し、ディフェンスでもスティールでポゼッションを奪うなど、出てくる選手それぞれが役割を全うしてチームに貢献していく。第3クォーター残り約4分にはファトーがゴール下で3点プレーとなるバスケット・カウントを決めて、トヨタ自動車がリードを20点にまで広げた。対するシャンソンもリバウンドやルーズボールに食らいつくなど、ハードなプレーを続けたが、トヨタ自動車のセカンドチャンスポイントを止めることができず、自分たちのリズムに持っていくことができなかった。
トヨタ自動車はステファニーが19得点10得点のダブル・ダブル、エブリンが15得点8リバウンド6アシスト、山本と川井がともに10得点をマークした。またチームでのリバウンド数でも52-34(オフェンスリバウンドは22-11)と圧倒し、ブロックショットも7本挙げるなどインサイドを制して、最終スコア80-57で勝利した。
トヨタ自動車のルーカス・モンデーロヘッドコーチは、「シャンソンは高いリズムでプレーすると分かっていたので、相手の足を止めることにフォーカスして守りました。相手は得点力があるチームなので、スイッチでしっかり守って60点以下に抑えられてすごく良かったです」と試合を振り返った。
一方、敗れたシャンソンの鵜澤アシスタントコーチは「注意していたリバウンドをやられてしまいました。ペイントエリア内での得点もかなり多くて、そこで向こうにアドバンテージを取られた印象です」と悔やんだ。
明日の第2戦でトヨタ自動車がファイナル進出を決めるか、それともシャンソンが月曜日の第3戦へと持ち越すことができるか、引き続き注目だ。
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