ジョーンズ加入でビッグマンのプレータイムがシェア可能に
サンロッカーズ渋谷は4月6日、ホームで秋田ノーザンハピネッツを迎え撃ち、64-55と息詰まるディフェンス合戦を制した。現在、ワイルドカード争いで4位のSR渋谷にとって、チャンピオンシップ最後の枠となる2位につける秋田との直接対決に勝ったこと。そして、何よりもチームの根幹である激しいディフェンスを40分間、貫いて勝ち切れたことは大きな意味を持つ。
SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは、3月になって加入したケビン・ジョーンズがフィットすることで、ビッグマンのプレータイムがシェア可能となり守備の強化に繋がっていると語る。「元々やりたかったディフェンスのシステムがありましたが、ケビンがくるまでごまかしながらやっていた部分がありました。彼のコンディションが戻ってきて、当初から考えていたものができる。ディフェンスで我慢する共通理解が全員にあって、それがだんだん出てきている印象です」
この試合、SR渋谷は立ち上がりから激しいプレッシャーをかけて秋田にタフショットを打たせ、第1クォーターで23-7と先行。そのまま勢いに残り第2クォーター途中には23点差にまでリードを広げる。だが、ここから逆に秋田の激しいプレッシャーにターンオーバーを重ねて崩れ、第3クォーター途中には4点差にまで詰め寄られる。この悪い流れを断ち切る立役者となったのがベンドラメ礼生だった。
SR渋谷の5点リードで迎えた第3クォーター、最後のポゼッションでドライブからレイアップをねじ込むと、第4クォーター最初のポゼッションではセカンドチャンスから3ポイントシュートを決める。これで渋谷は、リードを2桁にまで戻して主導権を奪還しそのまま逃げ切れた。
ベンドラメ「久々のホームで、今日の勝ちはすごく染みる試合でした」
価値ある2本のシュート成功を含め12得点6リバウンド4アシスト2スティールと攻守で躍動したベンドラメは勝因をこう語る。「課題である試合の入りをしっかりできました。激しいディフェンスができましたし、相手に激しく来られて詰められた時も粘ってリードされなかった。リードを保って勝てたのはすごく良かったです」
そして、自分たちの根幹であるインテンシティの高い守備を貫いて勝てたことは、大きな弾みとなる。さらに今後のさらなる成長へと繋がる収穫と課題を得た内容の濃い試合だったと続ける。「オフェンスではなく、ディフェンスで勝ったと言える試合は僕たちがやりたいバスケットです。チームとしても士気の高まる勝ち方で、勢いがつく試合になったと思います。周りからもディフェンスで勝ったと見てもらえるのはすごくうれしいです」
「また、相手のディフェンスが激しい時に落ち着いてパスをさばけずにミスが続くと、簡単に追いつかれてしまうと今日の試合で分かりました。自分たちのバスケを見つめ直す良いきっかけになりました」
ちなみにSR渋谷にとって今回は、実に2月2日以来のホームゲームとなった。ベンドラメはあらためてホームのありがたさを感じたと強調する。「久々のホームでの試合をして、今日の勝ちはすごく染みると思いました」
長いアウェーでの連戦が終わり、これからのSR渋谷は9日と10日の群馬クレインサンダーズ戦など、ホームゲームが多くなる。この地の利も巻き返しに向けた大きなプラス材料だ。厳しい状況に変わりはないが、まだチャンピオンシップ出場の可能性は残っており、内容面でも明るい兆しが感じられる試合となった。
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