NBA史上12番目に若い20歳と98日でのトリプル・ダブル達成
チーム再建中のサンダーは、今シーズンも若手育成を優先してきた。順位も西カンファレンス14位で、プレーイン・トーナメント出場の可能性が早々に消えたため、足首のケガを抱えているエースのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの残り試合欠場に加えて、ルグエンツ・ドルトとジョシュ・ギディー、さらにダリアス・ベイズリーのシーズン全休を発表した。
球団は勝敗を度外視して、若い選手にできるだけプレータイムを与えることを優先している。それでも、実際にコートに立つ選手たちはNBAで爪痕を残すため全力を尽くしていて、現地4月3日に行われた西カンファレンス首位のサンズとの一戦では、名を上げたいサンダーの若手が躍動し、117-96で勝利するアップセットが起こった。
中でも結果を残したのは、213cmのアレクセイ・ポクシェフスキーだ。NBA2年目のポクシェフスキーは、17得点10リバウンド12アシストのトリプル・ダブルを達成して勝利に貢献した。サンダー史上7人目のトリプル・ダブルという快挙を成し遂げ、20歳と98日での達成はNBA史上12番目に若い。
ポクシェフスキーは「素晴らしい個人記録だけど、チームが勝たなかったら意味がない」と試合後に語った。
前半のポクシェフスキーは決して好調ではなかった。フィールドゴールは5本中1本の成功で、ターンオーバーを5回も記録。出場していた時間帯の得失点差を表すプラスマイナスは、チームワーストのー17だった。しかし後半になって調子を上げ、フィールドゴール9本中6本を成功させて、後半のプラスマイナスはチームベストの+19に改善された。
ポクシェフスキーは「前半はベストな自分ではなかった」と試合を振り返っている。「どこを改善させられるかを考えて、後半はよりアグレッシブにプレーした」
213cmながらポイントガードとしてもプレーできるポクシェフスキーについて、サンズ戦でベンチから24得点を記録したセンターのオリビエー・サールは「彼は類稀な選手。僕と同じくらいの身長だから、相手のディフェンス越しにフロアを見られる。そしてオープンな選手を見つけられる。バスケIQも高くて、アンセルフィッシュなんだ。速攻でプレーのペースも上げられる。ウチには彼のような選手が必要だよ」と称えた。
86.2kgと線の細さは目立つものの、ポクシェフスキーはサンズを相手にポテンシャルの高さを証明した。ヘッドコーチのマーク・ダグノーも「彼は攻撃時にポイントガードとしてプレーしたが、今年のプレーオフで勝ち上がると予想されるチームのペリメータープレーヤーを抑えていた。素晴らしいプレーだった」とポクシェフスキーを絶賛している。
ギルジャス・アレクサンダー、ルーゲンツ・ドートに加えて、ジョシュ・ギディ、ポクシェフスキーなど才能溢れる若い選手を多く擁するサンダーは、今後が楽しみなチームだ。