レイモンド・フェルトン

写真=Getty Images

昨シーズンのプレーオフでもチームを鼓舞

オフにサンダーと再契約したキャリア14年目のレイモンド・フェルトンは、チーム内で『メンター』としての役割を担っている。

昨シーズンはラッセル・ウェストブルックの控えを務め、平均16.6分の出場で6.9得点、2.5アシストを記録した。しかしカーメロ・アンソニーをホークスにトレードした際、デニス・シュルーダーを獲得したことで、セカンドユニットのポイントガードはシュルーダーが主に務めることになり、フェルトンの出場時間は減少すると見られている。

そのフェルトンは、3日に行なわれたピストンズとのプレシーズンゲームでセカンドユニットの一員として出場し、新加入のナーレンズ・ノエル、2年目のテレンス・ファーガソン、ルーキーのハミドゥ・ディアロと好連携を披露した。試合後フェルトンは、「今後は若い選手たちの指針になれれば」と、コメントした。

「年の離れた兄のような存在として、若い選手に助言を与えることが自分の役割だと思っている。彼ら(ファーガソンとディアロ)には才能があるのだから、正しい方向に進む必要があるだけ。力になりたいね。2人には、間違いなく明るい未来が待っている」

フェルトンは、ジャズに敗れた昨シーズンのプレーオフ・ファーストラウンド中も、チームに喝を入れた。1勝3敗で迎えた第5戦、41-56と劣勢で前半を終えてロッカーに戻ったチームメートを、フェルトンは熱の入ったスピーチで鼓舞。フェルトンの一言で気持ちを奮い立たせたサンダーは後半を66-43で圧倒。107-99で勝利し、ホームでのシリーズ敗退を回避した。

シリーズ終了後、フェルトンは、第5戦でのやりとりを明かしている。「みんなには、『こんな結果で良いのか? 諦めて家に帰りたいのか? 俺はチームの力をまだ信じている』というようなことを言ったんだ。そうしたら、『俺たちだってチームの力を信じている』という雰囲気になってね。だから『だったらやってやろう。コートに出て、俺たちの試合をしよう!』と伝えた」

『ミスター・サンダー』ことニック・コリソンが昨シーズン終了後に引退した今、チームから尊敬され、ここぞという場面で気持ちを一つにまとめられるベテランは、フェルトンしかいない。若い選手の背中を押し、彼らが成長する姿を見たいとも話しているフェルトンの、メンターとしての役割にも注目したい。