琉球ゴールデンキングス

外国籍選手がファウルアウトとなり、高さの不利を覆せなかった信州

信州ブレイブウォリアーズvs琉球ゴールデンキングスの第1戦はともにディフェンスを得意とするチーム同士の対戦とあって、ロースコアゲームとなった。

アンソニー・マクヘンリーがコンディション不良のため欠場となったが、序盤はピック&ロールでズレを作り、ミスマッチからジョシュ・ホーキンソンが内外でスコアした信州のペースに。琉球は信条とする激しいディフェンスが裏目に出てしまい早々にチームファウルが5に達する。さらにジャック・クーリーが開始5分もたたずに個人2つ目のファウルを犯し、ベンチへ退くことに。こうして、このクォーターだけで6つのターンオーバーを誘発したように、ディフェンスが機能した信州が17-13と先行した。

だが、第2クォーターに入ると、今村佳太のB1通算300本目の3ポイントシュート成功ですぐさま琉球が逆転。そして、小寺ハミルトンゲイリーを起用する『オン3』が機能し、主導権を握った。ホーキンソンやウェイン・マーシャルのミスマッチを突く信州に対し、小寺が積極的にダブルチームにいくことで起点を作らせなかった。さらにインサイドの守りが分厚くなったことで、信州のペイントエリア内でのシュートはことごとくリングに弾かれた。対照的に琉球はアレン・ダーラムが持ち味のパワープレーを披露し、このクォーターだけで11得点の荒稼ぎを見せる。マーシャルが4本すべてのフリースローを失敗した一方で、8本中7本のフリースローを成功させた琉球が37-31とリードして前半を終えた。

後半出だし、ホーキンソンのブロックショット、エバンスからオフェンスファウルを誘発とディフェンスを引き締めた信州が主導権を握り返す。ディフェンスからリズムをつかんだことでオフェンスにもリズムが生まれ、連続で3ポイントシュートが決まり、ピック&ロールからの攻めも機能して開始約3分で12-2と走った。それでも琉球もディフェンスを立て直し、ここから一進一退の攻防が終盤まで続いた。

最終クォーター残り6分13秒、信州は1点リードの場面でマーシャルが個人4つ目のファウルを犯し、ベンチへと下がることに。そして、高さの不利を突かれ、5点のビハインドを背負った残り2分にマーシャルを戻して勝負に出た。すると、熊谷のスティールから岡田が速攻を決めて1ポゼッション差に迫ると、残り56秒にホーキンソンが値千金の3ポイントシュートを沈めて、延長戦に突入した。

その後、信州はマーシャルが残り3分を切った場面でファウルアウトとなるも、粘りのディフェンスでどうにか食らいつき、ホーキンソンがミスマッチからスコアして、残り37秒で1点のリードを奪った。しかし、直後のディフェンスでホーキンソンまでもがファウルアウトとなり、さらにエバンスにフリースローを決められて土ダブルオーバータイムに持ち込まれた。

マクヘンリーが欠場し、マーシャルとホーキンソンがファウルアウトとなった信州はインサイドで大きな不利を抱えた。ペイントを守ろうとするあまり、アウトサイドのマークが甘くなり、今村に連続で3ポイントシュートを許した。琉球のフリースローミスに助けられこともあり、逆転のチャンスは残されていたが、延長の10分間で7本のオフェンスリバウンドを許すなど高さの不利を覆せず、最後は今村の速攻を浴びて84-87で敗れた。

25得点15リバウンド(6オフェンスリバウンド)3アシスト2ブロックを記録し、攻守で違いを生んだダーラムは「苦しい時間帯もありましたが、自分の中では試合終了までチームが必要としている役割を果たそうと思いプレーしました。自分のプレーを起点として、他の選手もリズムを掴むことに貢献できたと思います」とコメント。

また桶谷大ヘッドコーチは「信州さんは、最後の最後までタフなディフェンスをしてきて、こちらも攻めきれずに難しい試合になりました。対戦する度に信州さんとは、タフなゲームになりますし、アウェーでそのチームに勝利できたのは大きいです」と語り、苦しみながらの勝利に安堵した。