川崎ブレイブサンダース

最大19点のリードを奪うも最終クォーターで逆転を許し、苦しい展開に

川崎ブレイブサンダースは、アウェーでの秋田ノーザンハピネッツとの第2戦を90-83で勝利し、連勝を4に伸ばした。

第1戦を94-79で勝利して迎えた第2戦、川崎は藤井祐眞、篠山竜青の2ガードと、パブロ・アギラール、ジョーダン・ヒース、ニック・ファジーカスによるビッグラインナップを先発に起用して挑んだ。

佐藤賢次ヘッドコーチが「最初から非常に強度の高い激しいディフェンスをされる中で、前半は上手くコントロールできました」と振り返ったように、ファジーカスのところで生まれた高さのミスマッチを生かしてオフェンスを展開した。

秋田の前田顕蔵ヘッドコーチが「前半は篠山選手のゲームメークや判断にすごく苦しみました」と語ったように、5試合ぶりの先発出場となった篠山はチームのアドバンテージを見つけては確実にボールを供給するなど、前半だけで11得点5アシストを記録。また、川崎は持ち前の堅実なチームディフェンスにより、前半だけで秋田から7ターンオーバーを奪い、そこから10得点を挙げ、50-34で前半を終えた。

しかし、佐藤ヘッドコーチが「後半は秋田さんのディフェンスの強度がもう一段上がり、苦しい展開になりました。秋田さんの勢い、強みを出させてしまった」と語ったように、秋田の激しいディフェンスからのアップテンポな展開により、後半だけで10本もの3ポイントシュートを許した。

また、前半は11得点を挙げていたファジーカスだったが、秋田がインサイドの守備を引き締めたことで第3クォーターは2得点に留まり、チームとしても12-25とビッグクォーターを与えてしまった。その結果、一時は最大19点リードをしていたものの、第4クォーター開始約1分には、62-65と秋田に逆転された。

しかし、川崎は逆転されても慌てることなく、冷静に状況判断をして、自分たちがやるべきことにフォーカスし、再びリードを奪い返した。アギラールやファジーカスはリング下で奮闘してリバウンドを奪う。そして、秋田に勢いを与えそうなところで、前田の3ポイントシュートや篠山が3ポイントシュートでのバスケット・カウントを奪うなど、最後まで集中力を切らさずに、その後は逆転を許さなかった。「相手がウチをどう仕向けようとしているのかを把握したところで、最後の10分間を戦えたのが大きかったです。最後の10分間の勝負でしっかり跳ね返すことができたのが今日の勝因です」

川崎ブレイブサンダース

「今日は前田の試合だった」

前半はビッグラインナップが効いていたが、どのチームも対策はしてくる。この試合も同様で、後半には秋田に対応されてしまった。しかし、その状況を救ったのがシューターの前田悟だ。前日の第1戦ではプレータイム4分45秒とほとんど出番がなかったが、第2戦では17分10秒の出場で3ポイントシュート5本を含むフィールドゴール6本すべて成功の17得点を挙げて勝利の立役者となった。特に一進一退の攻防が続いた第4クォーターでは8得点を固めてチームを牽引してみせた。

秋田の前田ヘッドコーチが「前田選手に非常に良いところで決められたので苦しかったです」と言えば、佐藤ヘッドコーチも「今日は彼の試合だった」と前田を称えた。「昨日はあまりプレータイムがなかった前田悟が大爆発でした。選手としていつでも出る準備をして、こういう活躍ができるのは本当に素晴らしいですし、そこに助けられた部分もあったので今日は彼の試合だったのかなと思います」

前田本人も「昨日は出場時間が少し短かったのですが、その分思い切りプレーしようと試合に入りました」とコメントしている。「シュートもよく入ってチームも勝てて本当に良かったです。川崎には良い選手がたくさんいますが、ベンチから出場しても活躍しないと連勝は伸ばせないと思うので、これからもチームの力になれるように頑張ります」

ファジーカスが17得点10リバウンド4アシスト、前田が17得点、藤井が15得点4リバウンド4アシスト、篠山が15得点9アシストと、それぞれが持ち味を発揮して勝利を引き寄せた。佐藤ヘッドコーチはシーズン終盤戦に向けて、こう意気込みを語った。「引き続き、誰が出ても強みが出るようにチームとしてやっていきたいです」