第3クォーターまで同点も、最終クォーターを29-12
名古屋ダイヤモンドドルフィンズvs信州ブレイブウォリアーズの第1戦は第3クォーターを終えた時点で53-53の同点と拮抗した展開が続いた。それでも、勝負どころでディフェンスのギアを上げてターンオーバーから連続得点を挙げ、齋藤拓実がトーンをセットした名古屋Dが最終クォーターを29-12と圧倒し、最終スコア82-65で勝利した。
先行したのはアウェーの信州。インサイドの攻防で上回り、ウェイン・マーシャルとジョシュ・ホーキンソンがペイントエリアで得点を重ねると、外に開いたホーキンソンが3ポイントシュートを沈め、開始約3分で10-2とリードした。
名古屋Dはレイ・パークスジュニアを投入してオン3にしたことで高さの不利を埋めると、齋藤拓実が個で打開して反撃。パークスジュニアが連続で3ポイントシュートを成功させ一時逆転に成功したが、三ツ井利也のセカンドチャンスポイント、前田怜緒に3ポイントシュートを浴び、19-24で第1クォーターを終えた。
その後はリードチェンジを繰り返す接戦が続いた。信州はシンプルにインサイドにボールを預けるのではなく、ペイントアタックからディフェンスを収縮させ、ズレを作った上でホーキンソンがフィニッシャーとなり得点を重ねていく。一方の名古屋Dは信州の堅いディフェンスをこじ開けられずハーフコートオフェンスに手こずった時間帯もあったが、オールコートプレスでターンオーバーを誘い、そこから速攻に繋げるなど、ディフェンスからのトランジションや得意の3ポイントシュートで応戦した。
そして、同点で迎えた最終クォーターに一気に試合が動く。連続得点を許し、再び信州に先行された名古屋Dだったが、ここからディフェンスのギアを一段階上げると、オールコートプレスから連続でターンオーバーを誘発し、それを確実に得点へと繋げて逆転に成功する。残り5分半には、ボールを奪い、プッシュした齋藤がバックビハインドパスでソコのダンクをアシストし、リードを6点に広げた。
信州はタイムアウトを取って落ち着きを取り戻そうとしたが、タイムアウト明けにもプレスを突破できず、相手にフリースローを与えてしまい失速した。こうして、ディフェンスから主導権を握った名古屋Dは、残り2分を切った場面で伊藤達哉がスティールから走り、オヴィ・ソコのプットバックでリードを2桁に乗せて、そのまま押し切った。
名古屋Dのショーン・デニスヘッドコーチは後半を23失点に抑えたディフェンスを勝因に挙げた。「信州は規律がしっかりした良いチーム。試合中のアジャストを求められ、ディフェンスのフォーカスを最後まで保たなければいけなかった。ハーフタイムに強度を上げなければいけないと話した。特に前半にペイントで24点決められていたから、ペイントのディフェンスの集中を高めたことで、最終的にポゼッションゲームも勝つことができた」
一方の信州はターンオーバー数で19-7と大きく水をあけられ、前節の三遠ネオフェニックス戦に続き、ターンオーバーからの失点が敗因となった。指揮官の勝久マイケルもミスに頭を抱えつつ、40分間集中力を保つ必要があると訴えた。「ガードがトラップされているのに走ってしまったり、後ろからスティールを狙われているところで、すべてのキャッチをミートしないといけないところがカジュアルになってしまっていた。言いたいのは技術ではなく、40分間シャープに強くプレーし、メンタルに緩みがあってはいけないということ。技術よりもそういう部分」
また、勝久コーチは「ボール運びをしてくれるマック(アンソニー・マクヘンリー)はケガでプレータイムを制限している。やりなれていないジョシュやウェインが繋がなきゃいけないので、周りがステップアップしなきゃいけない」とも続けた。