マーカス・スマート

ブラウン「そんなに汚いプレーだとは思わなかった」

現地3月16日、セルティックスはアウェーでウォリアーズと対戦した。第2クォーター途中にステフィン・カリーがマーカス・スマートと交錯した際に足を負傷し、その後試合に戻れなかった影響もあり、セルティックスが110-88の快勝を収めた。

カリーはスマートがルーズボールにダイブした際に足を巻き込まれた形となり、MRI検査の結果、左足靭帯の損傷が発覚した。カリーが負傷した直後、指揮官のスティーブ・カーは危険なプレーだと主張し、スマートと激しい議論を交わした。それでもスマートは「間違いなく冷静だった。コーチは部下をバックアップすることが仕事で、彼は誰しもがやる普通のことをしていた」と、カーの行動に理解を示した。

スマートは試合後にも冷静にカーと話し合ったという。そして、2度目の会話の内容に触れつつ、自身のプレーに落ち度がなかったことを主張するとともにカリーの無事を祈った。「会話の最後に、彼は『君は僕のチームにいたらいいと思うタイプの選手の一人だ』と言ってくれた。アメリカ代表で一緒になったけど、僕とスティーブはそういう関係なんだ。だから、彼は僕が誰かを傷つけるつもりはない。チームやチームメートのために自分の身体を犠牲にしてきたことを知っている。僕もそれを理解している。僕は彼を見ずに、ただボールを見て飛び込んだけなんだ。どんなケガも見たくないし、自分の仕事をする上でそれが誰かのケガに繋がってしまうことは本当に嫌だ。だからステフが無事であることを願うよ」

スマートのプレーには賛否両論あり、『汚いプレー』だと主張する人もいる。だが、チームメートのジェイレン・ブラウンは「そんなに汚いプレーだとは思わなかった」と、スマートを擁護した。「すぐに床にダイブした。僕の言っていることがわかるだろう? それがバスケットボールなんだ。ステフがケガをしたのは残念だ。でも意図的ではなかった。マーカスは誰よりもすぐボールに反応する。それが彼のスタイルで、両チームともそれを知っているはず。だから、この論争が何なのか分からないよ」

セルティックスの指揮を執るイメイ・ユドカもスマートのプレーがルールに則ったもので、問題のないプレーだと認識している。「彼らが文句を言っていたプレーは完全に合法的なもので、私には全く悪意がないように見えた。一人が飛び込み、一人が手を伸ばし、ルーズボールが床に落ちただけ。審判も見ていたと思うし、良いプレーだと分かっていたから、特に心配はしていなかった」

チームメートや指揮官が話すように、スマートのプレーはただのハッスルプレーとも見て取れる。カリーがケガをしたのは残念だが、ガード離れした体躯を生かし、ボールへの高い執着心を持ったプレーをスマートはこれからも続ける。