クレイ・トンプソン

写真=Getty Images

「親友たちと優勝した時のフィーリングを分かっている」

ウォリアーズのクレイ・トンプソンは、2018-19シーズン終了後に現在の契約を満了し、フリーエージェントになる。巷では、地元ロサンゼルスに本拠地を構えるレイカーズに移籍する可能性がある、とも噂されているが、現時点で本人に移籍の意思はない。『Stadium』とのインタビューでも、「ウォリアーズから離れる姿が想像できない」と語った。

自我が強い選手が多い中、トンプソンは、『スーパーチーム』のパイオニア的存在であるウォリアーズで、『歯車』としての役割に徹している。インタビュー中も「以前は個人評価を気にしていた」と語ったが、歴代最多アシスト記録(1万5806)を持つジョン・ストックトンの格言を聞き、チームを優先する方向に考え方が変わったという。「史上最高のポイントガードの考えなのだから、僕も同じように考える。出来る限り、最高のチームにしたい。自分のポジションでベストプレーヤーになることより、そっちの方に意味がある。優勝チームの一員になれば、各々の街でレジェンドになれる。バスケットボール以外の分野にも影響を与えられる。それが自分の目標なんだ」

またトンプソンは、「自分のチームを持つ意味が見出せない」とも発言し、その理由をこう続けた。「それがリーダーになることだったり、キャプテンになることだったり、スタッツで引っ張る存在ということは理解できるけれど、うちはステフ(カリー)のチームではない。KD(ケビン・デュラント)のチームでもないし、ドレイモンド(グリーン)のチームというわけでもない。それに、アンドレ(イグダーラ)、コーチ・カーのチームでもない。ウォリアーズは、みんなのチームなんだ。誰かが一人欠ければ、チームの大きなパーツを失うことになる。僕たちは、そのことを理解している」

「自分は山の頂上に立った。親友たちと優勝した時のフィーリングを分かっている。それに、この球団に心血を注いでいるからこそ、離れる姿が想像できない。良い時も、悪い時もあった。それでも、他チームでプレーしている姿が想像できないんだ」

しかし、誰でも時間が経てば考えが変わることもある。トンプソンも、その可能性を否定していない。

「今の時点で色々と言うのは簡単だけれど、時間が経てば、状況が変わることだってある。9カ月後にどうなっているかなんて、想像できない。とにかく、目の前の1日を全力で楽しむだけだね」

来年はデュラント、ジミー・バトラー、カイリー・アービングらもフリーエージェントになることが濃厚だが、もしトンプソンがウォリアーズを離れれば、NBAの勢力図は変わるだろう。気の早い話だが、1年後にトンプソンがどういう結論を出すのか、楽しみに待ちたい。