女子日本代表

フランス、ナイジェリアとは東京オリンピックでも対戦

バスケットボール女子日本代表にとって銀メダルを獲得した東京オリンピック以降、初めて世界に臨む大一番が今年の9月末からオーストラリアのシドニーで開催される女子ワールドカップ2022だ。その抽選会が昨日行われ、日本はオーストラリア、カナダ、フランス、セルビア、ナイジェリアと同じグループBに入った。

女子の場合、過去10年に渡ってワールドカップ、オリンピックの主要大会に出場を続けていることもあり、グループステージの相手はよく知る相手ばかりだ。オーストラリアは、同じアジアということもあり何度も激しい戦いを繰り広げてきた。カナダとは2021年にベルギーで行われた東京オリンピック最終予選、そして2月に大阪で実施された今回のワールドカップ最終予選でも対戦。フランス、ナイジェリアとはそれぞれ東京オリンピックでも同じグループだった。

その中でセルビアは唯一、馴染みがない相手となるが、一方で相手は日本のことを熟知している。なぜなら指揮官はWリーグのデンソーアイリスで指揮を執るマリーナ・マルコヴィッチであるからだ。マリーナにとって、日本代表選手はすべてWリーグで実際にプレーを見たことがある選手ばかりで、特に代表でも中心となる赤穂ひまわり、髙田真希はデンソーで指導している。日本もマリーナについて分かっているのは利点だが、一方でセルビア代表とデンソーのスタイルは違うものだ。

セルビア代表は、アメリカ出身の帰化選手である175cmのイボンヌ・アンダーソンを軸としている。31歳のベテランガードは、今回のワールドカップ最終予選においても3試合で平均22.7得点、5.7リバウンド、4.3アシスト、2.0スティールと、オールラウンダーとして大活躍した。日本としては、ゴール下への鋭いドライブで崩されるのを何よりも注意したい。2021年ユーロバスケット優勝、東京オリンピック4位と今、欧州を代表する強豪の地位を確立している実力に加え、マリーナの存在と日本にとって厄介なチームなのは間違いない。

女子日本代表

10日間という短期決戦の女子ワールドカップ

開催国オーストラリアは世界有数のサイズを誇るタレント集団だが、一方でメンタルヘルスを理由に東京オリンピックを欠場した超一流センターのエリザベス・キャンベージが今大会も欠場の意向で、昨年12月の段階で、ワールドカップ出場への興味はゼロと明かしている。彼女のプレーを見られないのは残念だが、日本にとって少しでも戦いやすくなった面はあるだろう。

フランスは東京オリンピックでグループリーグ、準決勝と2度対戦して連勝した。しかし、だからこそ相手は雪辱へのより強い気持ちを持って臨んでくる。ナイジェリアは、今回の最終予選でフランスに最大20点差をひっくり返し67-65とアップセットを達成している。東京オリンピックを終え、長年スペイン代表でコーチを務めていたビクター・ラペナを新指揮官に迎えたカナダと日本は、大阪でのワールドカップ予選でオーバータイムの激闘を演じたばかりだ。

このように当然だが、グループリーグはすべてタフな試合となり、勝利を計算できる相手がいない。5連勝は達成可能だが、少しでも歯車が狂うと負け越してしまうことも十分にあり得る。また、今大会は9月22日から10月1日と開催期間が短い。優勝チームは10日間で8試合を戦うわけで、連戦は当たり前の過密日程となっている。勝ち抜いていくためにはプレータイムをいかにシェアできるかが重要で、どれだけチーム全体を底上げできるかがチームの命運を握る最大の鍵となるはずだ。