若い富樫に対抗するように、折茂が熟練の技を披露
千葉ジェッツとレバンガ北海道の第2ゲームは、堅守からリズムをつかんだ千葉が97-52の大差を付けて北海道を退けた。
スクリーンを使ってノーマークとなった折茂武彦の3ポイントシュートで先制した北海道は、主導権を握ろうとアグレッシブなディフェンスを見せる。だが、富樫勇樹が序盤からキレのあるプレーで千葉を牽引。クロスオーバードリブルやバックターンでディフェンスを切り裂き、3本の華麗なフローターシュートを沈めるとともに3アシストを記録し、19-13とリードを奪う。
第2クォーターに入るとオンザコート「2」の状況で高さにアドバンテージを持つ千葉がインサイドを攻め、点差を広げていく。富樫のアシストからヒルトン・アームストロングの豪快なダンクシュート、タイラー・ストーンがスティールからこのクォーター2本目のダンクを無人のゴールへ叩きつけ、会場を盛り上げる。
それでも折茂がバスケットカウントとなるミドルシュートを決め流れを断ち、桜井良太のぺネトレイトから多嶋朝飛の3ポイントシュートが決まり6点差まで詰め寄る。
しかし、その直後に再びを流れを引き寄せる3ポイントシュートを富樫がお返し。また最後のポゼッションでストーンのスティールに対し速攻を阻止しようとした野口大介がアンスポーツマンライクファールを犯し、それで得たフリースローを2本とも決め41-30と千葉がリードして前半を終えた。
堅守からの速攻、ダンク、3ポイントシュートで勝負を決める
後半に入ると、千葉が1段階ギアを上げ、アグレッシブなディフェンスで北海道に襲いかかる。インサイドを有効に使わせず攻めるように守り、タフショットを打たせる。リズムに乗れない北海道はゴールが遠く、第3クォーターをわずか7点に抑えられてしまう。
ディフェンスからペースをつかんだ千葉は怒涛の攻撃を展開。富樫がアームストロングとのピック&ロールでディフェンスを引きつけ、左手のバックビハインドパスからダンクをアシストし、会場を沸かせる。さらにはマイケル・パーカーによる連続スティールからのダンク、富樫の3本の3ポイントシュートもあり、69-37と一気に試合を決めた。
セカンドチームにメンバーを交代しても千葉の勢いはとどまらず、伊藤俊亮が体を張り、阿部友和と石井講祐が3ポイントシュートで得点を重ねていく。
7人で戦いを挑む北海道は、苦境に立たされながらも最後まで全力プレーを続けた。桜井のダニエル・ミラーへの高速パス、青島心のフックシュート、松島良豪のハッスルプレーなどプロフェッショナルの姿がそこにはあった。
97-52と大差がついたゲームとなった。だが千葉の攻守にわたる素晴らしいプレーだけでなく、最後まで誇り高く戦った北海道の選手たちの勇姿は、5000人を超えるブースターに「試合を見に来て良かった」と思わせる材料となったに違いない。
北海道の水野HC「戦っている姿で注目してもらいたい」
試合後、大野篤史ヘッドコーチは第3クォーターの猛攻について語ってくれた。「トラップディフェンスが連続で成功し、それでローテーションがアクティブになったことが良かった」
「いつも言っているがインサイドアウトゲームを選手が体現してくれた」。その発言が示すようにペイントエリアの得点では30点相手を上回り、ボールがよく回って放つ3ポイントシュートの確率は55%と驚異的な数字だった。
敗れた水野宏太ヘッドコーチは人数ばかりが注目されていることにも触れ、現状について語った。「自分たちがちゃんと戦っている姿で注目してもらいたいと思っているので、こういう試合をしてしまっては、注目の場所が自分たちの本来求めてるところではなくなってしまう。彼らは戦っているので、その道筋をもっと自分が見つけて徹底していきたいです」
開幕から1カ月が経過し10試合を消化したBリーグ、レギュラーシーズンは60試合とまだまだ戦いは続いていく。今日も船橋アリーナには5000人を超えるブースターが集った。週末のバスケットボール観戦を習慣化し、今後もBリーグを盛り上げていってほしい。
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