西田優大

最終クォーターだけで14得点を挙げる勝負強さを見せる

東京オリンピック後にトム・ホーバス体制となったバスケットボール男子日本代表は、ワールドカップ予選Window2の初戦となったチャイニーズ・タイペイ戦を76-71で制し、新体制での初勝利を挙げた。

初勝利だけでなく、この試合での収穫は新たなエースの誕生だ。22歳でチーム最年少の西田優大は大学時代から代表合宿には呼ばれていたが、なかなかロスターに残ることはなかった。それでも、指揮官がホーバスへと代わったことで前回のWindow1に主力に抜擢されて結果を残すと、今回のWindow2のチャイニーズ・タイペイ戦でも先発を任せられた。

日本はチャイニーズ・タイペイのタフなディフェンスに苦戦し、なおかつ相手の帰化選手、ウイリアム・アルティーノのインサイドからの得点を止めることができず、追いかける展開が続いた。そんな中で、西田は積極的にドライブを仕掛けて得点を重ねていくと、49-53で迎えた最終クォーターには、このクォーターだけで14得点2アシストを挙げてオフェンスを牽引。試合を通じて、3ポイントシュート4本中2本成功を含むゲームハイの27得点と3リバウンド3アシスト2ブロックを記録し、勝利の立役者となった。

西田は試合後の会見で、「相手のプレッシャーが強いのは分かっていましたし、そこを我慢すれば必ず僕たちのペースは来ると思っていました。我慢し続けて、やり続けた結果、第4クォーターに良い流れが来たので、我慢して良かったなと思います」と振り返った。

日本は立ち上がりら積極的なペイントアタックに3ポイントシュートを見せていたが、前半は3ポイントシュートが19本中4本成功に留まったこともあり、リズムをつかみきれなかった。それでも西田が言うように、日本は積極性を失わずに、シュートを打ち続けた。その結果、後半は放った15本の3ポイントシュートのうち7本を成功させて、勢いに乗った。

西田優大

「役割をやり続けたら結果もついてきましたし、そこは自信にしていい」

冒頭でも触れたように、西田は序盤から積極的なプレーを見せていたが、最終クォーターの勝負どころでは大きな相手ディフェンスをかいくぐるドライブからのシュートを立て続けに決め切り、勝利を決定付けるルーク・エヴァンスの得点をアシストするなど頼もしい活躍を見せた。

西田は言う。「チャイニーズ・タイペイは連戦で後半は疲れていて、ピックディフェンスが非常に弱くなっていた部分があったので、積極的にアタックした結果、こうやって得点を取れました。練習からトムさんやコーリー(ゲインズ、アソシエイトヘッドコーチ)にフィニッシュのところは結構言われていたので、意識してやって結果が付いてきたので良かったです」

今回のチャイニーズ・タイペイ戦には西田を含め、20代前半の選手全員がロスター入りしたように若い布陣となった。西田は「自分の役割をしっかりやり続けたら結果もついてきましたし、そこは自信にしていいと思っています」と言うと、こう続けた。

「今回も自分を含めて若いメンバーが結構入っているので、チームの底上げじゃないですけど、どんどん若い選手から積極的にプレーできたら良いのかなと思います」

与えられたチャンスをしっかりモノにして、チームの勝利に貢献した西田。これからも日本代表の若きエースとして、チームを引っ張る姿に期待したい。