勝負強さを発揮した第4クォーターを27-18と上回り、逆転勝利を飾る
バスケットボール男子日本代表は2月26日、沖縄アリーナで行われているワールドカップ予選Window2の初戦、チャイニーズ・タイペイ戦に挑んだ。
日本の先発は富樫勇樹、西田優大、今村佳太、谷口大智、ルーク・エヴァンスの5人。日本は間合いを詰めたタフなディフェンスを仕掛けるが、チャイニーズ・タイペイにその上からシュートをねじ込こまれ、さらに帰化枠のウイリアム・アルティーノのインサイドでの1on1を止めることができず、開始3分で2-7と追いかける展開に。ベテランの谷口大智が2本の3ポイントシュートを沈め、若手の西田やフル代表デビューとなったアイザイア・マーフィーが積極的なペイントアタックでオフェンスを活性化させて点差を縮めるも、アルティーノの得点を止めることができず、15-21で第1クォーターを終えた。
6点を追いかける展開で迎えた第2クォーター。西田の連続得点に続きエヴァンスがタップシュートをねじ込んで逆転に成功。エヴァンスはさらにゴール下での争いでアルティーノをファウルトラブルに追い込む。こうして日本が主導権を握ったかに思われた。
しかし、チャイニーズ・タイペイのゾーンやプレスディフェンスを攻めあぐねてしまい、33-39で前半を終えた。前半だけで19本もの3ポイントシュートを放った日本だが、成功したのはわずか4本と得点に繋げることができずリズムをつかむことができない。
勝負の第4クォーター、富樫と西田が見せた『エースムーブ』
6点差を追いかける展開で迎えた後半。日本は富樫のペイントアタックからのキックアウトで佐藤卓磨やエヴァンスが3ポイントシュートを沈めたりと良いプレーも見られたが、失点を止めることができずに、1、2ポゼッションを追いかける展開が続く。その中で、西田の積極的なドライブに佐藤の3ポイントシュートで猛追し、最終クォーターへ。
それでも2日連続の試合を戦うチャイニーズ・タイペイに疲れが見え始めたのを機に、富樫と西田がエースムーブを見せる。西田がファーストプレーでアルティーノから個人4つ目のファウルを誘うドライブを見せる。ここで得たフリースローを2本とも沈めた西田は、続くポゼッションでもディープスリーを沈めて開始1分で54-55と1点差に迫ると、富樫が連続3ポイントシュートを沈めて、残り7分半で60-58と逆転に成功。さらに絶好調の西田のドライブも続き、62-58とリードを広げた。
チャイニーズ・タイペイもタフな3ポイントシュートを決めて粘りを見せるも、日本の新たなエース、西田がチームを救う。前のポゼッションでドライブを決めた西田は、同点に追いつかれた後もサイドからのドライブを決めて71-69と日本が前に出る。さらに残り30秒、西田がディフェンスを引き寄せてエヴァンスの得点をアシストし、日本はリードを4点に広げた。こうして日本は最後までリードを守り切り、76-71でホーバス体制となって初となる勝利を挙げた。
西田はゲームハイとなる27得点と3リバウンド3アシスト2ブロックと攻守に活躍。特に勝負を決めた最終クォーターだけで13得点を固めるなど、新たなエースとしての存在感を発揮した。