B1で飛躍を狙う秋田ノーザンハピネッツのキーマン俊野達彦「ここを目指していた」

2018/10/01
Bリーグ&国内
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俊野達彦

文=鈴木栄一 写真=鈴木栄一、B.LEAGUE

Bリーグ初年度の降格から1年、秋田ノーザンハピネッツは再びB1の舞台に戻って来た。今シーズンこそ残留を勝ち取り、さらに高い目標へ向けて進んでいくために、主役としての活躍が期待されるのが俊野達彦だ。愛媛オレンジバイキングスでプレーした昨シーズン、B2屈指の日本人スコアラーかつオールラウンダーとして実績を残した俊野は、オフに移籍した看板選手、田口成浩の穴を埋める存在として期待される。そんなキープレイヤーにB1挑戦への思いを聞いた。

「愛媛から出る時はB1で、と決めていました」

──愛媛で2シーズン連続で結果を残し、今回B1に挑戦するわけですが、秋田からのオファーはどういった気持ちで受け止めましたか? このタイミングでB1に挑戦するつもりでしたか?

「愛媛から出る時はB1で」と決めていました。ちゃんとオファーが来たのは、シンプルにうれしかったです。Bリーグになってから、B1への思いは持ち続けていました。基本的に良い選手はB1に集まっているし、試合のレベルも高いですから、その中に早く入ってプレーしたいという思いはずっと持っていました。

──実際、秋田に入ってみて予想通りなこと。予想外なことはありましたか?

予想通りだったのは、秋田にはバスケットが根付いていて、本当に盛り上がっている地域だということ。それは想像を裏切らなかったです。驚いたのはコーチですね。独特のスタイルのバスケットをすると聞いてはいましたけど、実際やってみてそういう考え方なのかと驚く部分は結構ありますね。

──秋田の一員としてB1に挑むにあたり、どういうプレーでチームに貢献していきたいですか? コーチからはどんな要求をされていますか?

ディフェンスの身体能力には自信があります。運動量を生かし、しっかり足を使ってチームの助けになりたいです。オフェンスでは自分から仕掛けてプレーをクリエイトし、チームオフェンスのきっかけを作っていくのが持ち味だと思っています。コーチからは「フィジカルをもっと磨いていけば特長がより生かせる」と言われているので、そこに取り組んでいます。キャプテンを任せてもらえるのは光栄なことです。選んでもらったことを自信にし、責任を持ってシーズンを通してしっかりやっていきたいです。

──練習試合ではすでにB1のチームと対戦しています。実際に対峙してみて、B2とどんな部分で差を感じましたか?

一番はサイズやフィジカルの違いです。B1の選手は決定力も高いです。僕たち秋田は、ディフェンスからリズムを作っていくスタイルで、一つひとつのプレーについてもっとシビアに取り組んでいかないとしっかり守っていけないと感じています。激しく動く中でもしスマートにプレーしないと勝つことはできないと思います。

俊野達彦

「B1でのプレーを想像できるような選手ではなかった」

──これまで長らく秋田の顔であった田口選手が去った後、新たに加入しキャプテンを務めます。そういった経緯もあり、田口選手と比較される部分もあるかと思います。

人は人、自分は自分と思うタイプなので、実はあまりに気にしていません。これまでのチームの歴史は大事ですが、今年は今年で良いものを作っていかないといけない。もちろん良いものは残していくべきですが、過去にこだわるのではなく、自分だけでなく新しく入って来た選手がそれぞれ良いものを持ち寄って、新たに今年の良い形を作れたらいいなとは思います。

──俊野選手のキャリアの中で秋田は最も規模の大きいチームであり、B1の舞台は一番高いステージになるかと思います。意気込みを教えてください。

僕はもともと誰も知らないような選手で、普通に考えたらB1でのプレーを想像できるような選手ではなかったんです。大学を出てサラリーマンをしていた時期もあるし、bjリーグでプロになった当初は試合にも全然出ていませんでした。それが徐々に結果として形になってきて、ここ3年ぐらいで変わり始めました。3年前にはなかなかチームも決まらず「この1年やってダメだったら引退しよう」と思って臨んだシーズンでした。その年、bjリーグ最後のシーズンでオールスターに出場できたり、MIP賞をもらえたりしました。捨て身でやっていたので、転機になる一年ではありました。

そう考えると不思議に思う部分もあります。ただ、ここを目指してずっとやってきました。やっとそういう場に立てて、プレーできることにすごくワクワクしているんです。

──開幕戦の相手は琉球ゴールデンキングスで、平面での激しいプレッシャーをかける守備からリズムを作っていく点ではタイプが似ているチームと言えます。

琉球は本当によく走って、ディフェンスでもオフェンスでもスピード感のあるチームです。ただ、自分たちはどこよりも激しいディフェンスをして、しっかり走ることをチームカラーにしようとしているので、そこで負けたらいけない。開幕シリーズは、そういうゲームだと思います。

実際、どういう試合になるかは分からないですけど、ホームでの開幕戦には何としてでも勝ちたいです。シーズンが始まったら、勝っても負けても壁に当たる時はあるでしょうけど、それがまた自分をステップアップさせてくれるはずです。今までよりレベルアップした競争が始まると思ったら、すごく楽しみなんです。