「昨日よりも今日と、良い練習を重ねていきたい」
バスケットボール男子日本代表は今週末にワールドカップ予選Window2を迎える。本日、選手たちがメディア会見に応じた。
37歳の竹内公輔は若手が多い現在の代表チームの中で最年長となった。Window1の合宿に招集された時点で「東京オリンピック以降は代表はやらないつもりでした」と語り、代表を引退する思いがあったことを明かしている。それでも竹内は「また必要としていると言われていたので、シーズン中で難しい状況でしたけど、日の丸をつけて戦おうと思いました」と言い、強い気持ちを持って代表活動に臨んでいる。
トム・ホーバスヘッドコーチは3ポイントシュートを多投し、高速トランジションで戦うことで、世界とのフィジカルや高さの差を埋めようとしている。当然、竹内にも3ポイントシュートを打つことが求められ、本人も「空いたら打つ」と準備はできている。それと同時に、Bリーグとは違う戦い方への順応の必要性を感じているという。
「Bリーグはオン・ザ・コート2が基本で、外国籍選手にボールが集まり、そこが起点になる。トムさんのバスケットは5アウトで誰か1人にボールが集まるのではなく、全員でノーマークを作ってノーマークのシュートを確実に決めていく。Bリーグと戦い方が違ってくるのでそのアジャストをスムーズにしなければいけないです」
また、ホーバスコーチはフォーメーションの数が多いことで有名だが、竹内もその数の多さに面食らっているという。「女子選手も言っていたんですけど、めちゃめちゃセットプレーが多いです。覚えることが多すぎて、今日も4つくらい増えて、頭と身体の両方が疲れました」
対戦するチャイニーズ・タイペイとオーストラリアについて、ホーバスヘッドコーチは「どんなプレーをするのか、きれいなスカウティングができていない」と正直に語っていた。竹内も「日本は若い選手が入ってきて、世代交代の時なのかもしれないですし、チャレンジしたいと思っています」と、相手ではなく自分たちに意識を向けている。
自ら『世代交代』という言葉を発した竹内だが、それは決してネガティブな意味ではない。それは様々な経験を積んだ竹内だからこそ言え、新たな境地に達したことを意味している。「しがみついてでもという気持ちはないですが、必要とされているのでそれに応えたいです。(まだ負けられない)気持ちはありますけど、それと同時に若い選手を手助けしたい思いもあります」
また竹内は「コーチが求めていることを真っ先に体現して、昨日よりも今日と、良い練習を重ねていきたい」と語り、自身が良き手本となって、チームを引っ張っていきたい思いがあることを明かした。
世代交代はどんなタイミングでも訪れ、若返ることのメリットも十分にある。それでも、現在の男子日本代表に竹内の存在は必要なのだ。