安藤誓哉

「速いバスケを展開する起点にならなきゃいけない」

安藤誓哉は長く日本代表のポイントガードに定着していたが、東京オリンピックのメンバーから外れた。彼にとっては悔しい出来事だったに違いないが、「代表へのモチベーションは常にありますし、前回のワールドカップで経験させてもらった中で、ワールドカップで活躍したい思いはずっとあるので、ベストを尽くしたい」と語る。

トム・ホーバスが新たなヘッドコーチとなり、今回の代表に招集された安藤は新たなモチベーションに満ちている。昨夏にアルバルク東京を離れて島根スサノオマジックに移籍。トランジションバスケの起点として、また思い切って得点を狙うスコアリングガードとして、組織的なバスケを遂行していたA東京時代よりも個人のパフォーマンスが際立っている。

Bリーグではここまで15.7得点、6.5リバウンド。個人スタッツについては「プレータイムが伸びれば自然と数字は伸びると思っている」と謙遜するが、「自チームが西地区で2位で、プレーオフ圏内にしっかり入れているし、自分の良いところをBリーグで出せていると思っています」と自信を語る。

初めて経験するホーバスのバスケを「5人がそれぞれ発想を持った中で、阿吽の呼吸でパスだったりドライブだったりシュートだったりを5人で作っていく印象」と語る。「これを完成させるには一日一日の練習、その中のコミュニケーションを大切にしていかなければならない。僕自身ポイントガードとして、今はチームでキャプテンを務めていて、代表でも上の方になってくるのでリーダーシップを発揮したい。トランジションバスケなので、速いバスケを展開する起点にならなきゃいけないと感じました」

「島根もトランジションバスケットで、(ポール)ヘナレヘッドコーチからも今の代表のスタイルはフィットすると言われているので頑張りたい」

26日(土)にチャイニーズ・タイペイ、27日(日)にオーストラリアとの試合が控えている。「まだ試合をしていないのでイメージしづらいのが正直なところなんですけど、トムさんから『このバスケではポイントガードが起点となる』と言われているので、まずはしっかりリングにアタックする姿勢を見せて、早いパス回しからの展開をする起点になりたい」と意気込む。

そこでカギとなるのは、やはり『安藤誓哉らしさ』を出していくことだ。「良い意味で迷わずにシンプルに判断した方が周りも合わせやすい。まずはシュートから狙って行って、そこから展開していった日が良かったと褒められたので、引き続きシンプルにアグレッシブにプレーしていきたいです」

移籍を機に今まで以上に『自分らしさ』を出すようになった安藤のパフォーマンスに期待したい。