憤るレディック「チームメートの前でザイオンに指摘したこともある」
ザイオン・ウイリアムソンはサマーリーグが始まるより前、チームの管理下にない自主トレーニング中に右足を骨折した。トレーニングキャンプ始動の時点で開幕には間に合うと発表されたが、開幕から欠場が2週間続いたところで「まだ数週間を要する」と復帰が遅れる発表があった。結局、シーズン前半戦が終わった今もザイオンの復帰時期は『未定』のままだ。トレーニングを行う映像では身体に余計な肉がたっぷりと付いている様子が見て取れ、骨折よりも自己管理の問題でプレーできないのだと周囲に印象付けた。もともとザイオンは大きな体格と爆発的な運動能力を両立させているのが最大の特徴だが、レギュラーシーズン82試合を戦うには膝や足首への負担が大きすぎ、「体重を落としてプレースタイルを変えるべきだ」との意見が多かった。
体重の話は別にして、ザイオンがいつプレーできるのかは分からない。その間に噂として出てくるのは、彼がペリカンズと良い関係になく、別のチームでプレーしたがっている、ということだ。
先日のトレードデッドラインでペリカンズはCJ・マッカラムを獲得した。彼はザイオンについて問われると「まだ話をしていない」と簡潔に話すに留まった。マッカラムは周囲の誰からも愛され、尊敬される人格者で、選手会の新たな会長にもなった。その彼がザイオンについて突き放すようなコメントをするのは尋常ではない。
かつてペリカンズでザイオンと一緒にプレーしたJJ・レディックは『ESPN』の番組内でこの件に触れて、手厳しい言葉でザイオンを批判した。「これは決定的な出来事だ。ケガをしてチームを離れていても、自分とコンビを組む新しい仲間に手を差し伸べて挨拶しないのは選手の一般的なマナーから逸脱している。彼はチームから孤立していた。ただ、これは基本的な人間性の問題だよ。トレードでやって来た選手にはメールを送る、電話をする。当たり前のようにやるべきことじゃないか」
「僕はチームメートの前でザイオンに指摘したこともある」とレディックは言う。「ルーキーだった彼に、自分の身体に投資し、トレーニングに全力を尽くし、同じようにチームメートにも全力を尽くす責任があると言ったんだ。だけど、その姿勢はザイオンには見られなかった」
レディックとザイオンは同じデューク大出身で、エージェントも同じ。本来であればザイオンを擁護する側であるにもかかわらず、ザイオンのプロ意識の欠如に本気で怒っている。ザイオンがペリカンズでのプレーを望んでいないという噂についても、レディックは辛辣なコメントを残している。
「ザイオンが表に出てきて『ニューオリンズは嫌だ』と言ったわけじゃないが、火のない所に煙は立たない。『ヤニス・アデトクンボがミルウォーキーに不満を持っている』なんて噂は一度だって聞いたことがない。ザイオンの場合は、この3年間ずっとそんな噂を聞いてきた」
ちなみに『ESPN』によれば、マッカラムは例のコメントの後にザイオンからの連絡を受けたそうだ。それでも、ザイオンが自分にまつわる噂を打ち消そうと思うのであれば、少しでも早くベストコンディションを作ってプレーで自分自身を証明するしかない。