「周りの選手には見えていないものが見えている」
スーパースターが集まり、夢のような一夜となった2022年のNBAオールスターゲームでも、ナゲッツのニコラ・ヨキッチはシーズン中と同様に淡々とプレーし続けた。
チーム・レブロンの一員として先発出場したヨキッチは、21分の出場で10得点9リバウンド8アシストを記録。多くの選手が派手なアリウープ、ダンクなどで会場を沸かせたのに対して、ヨキッチは持ち味の器用なパス、タッチダウンパスでチームメートの得点機会を作り続けて勝利に貢献した。
今回のオールスターゲーム前日練習の際、NBA創設75周年記念チームに選出されたレジェンドのビル・ウォルトンがコートで昨シーズンのMVPに輝いたヨキッチと談笑する姿が見られた。現役時代にヨキッチと同じセンターとして活躍し、優勝2回、NBAファイナルMVP、そしてシーズンMVPという輝かしい実績を誇るウォルトンは「彼が我々の世界をより良い場所に導いてくれた」と、ヨキッチを称賛した。「彼がもたらすスタイル、気品、品格などは希望の光だ」
「彼に会えてうれしかった。私は彼の大ファンでね。彼のプレーは機会、チーム、自己犠牲、規律性を体現している。本当に素晴らしい選手だ。彼は創造力に満ちた天才。周りの選手には見えていないものが見えている。タイミング、技術、ポジション、バランスも素晴らしくて、私が好むものを表している」
ウォルトンは、仮にヨキッチが自分の存在を知らなかったとしても、彼に対する気持ちを本人に直接伝えたかったという。「彼はビッグマンではない。大きな身体を持って生まれたバスケットボールプレーヤーだ。ファンタスティックな選手。誰もが欲しがるものを持っている。彼は先駆者で、イノベーターでもある。そして明るく、より良い明日を作れるクリエイターだ」