ジェームズ・ハーデン

「優勝したいと本気で思っている選手と一緒にプレーするのが大事」

現地2月15日、ジェームズ・ハーデンがセブンティシクサーズの一員として初めてメディアの前に姿を見せた。急転直下のトレードでネッツを離れた彼の願いは、NBA優勝ただ一つ。ジョエル・エンビードとコンビを組むことで、その目標が果たせると考えている。

「僕にとっては大きな意義のあることだ。優勝するには、優勝したいと本気で思っている選手と一緒にプレーすること、そのためには何でもやろうという気概があるチームにいることが大事だ。そういう意味で、このチームは信じられないほどだ」と彼は言う。

「勝つためのチャンスは今だ。ジョエルはこれまで最高のプレーをしていて、僕は彼をサポートして、チームが今後数年間でタイトルを勝ち取るための力になりたい」

彼が言う環境はネッツにはなかったのだろうか。ケビン・デュラントは飄々としているし、カイリー・アービングはプレーよりも大事なものがあるように見える。すでに優勝経験のある2人には『何が何でも優勝』という気概がなく、そこにハーデンは物足りなさを感じたのかもしれない。特にカイリーがワクチン接種を拒み、ホームゲームでプレーできないことは、ネッツの優勝の可能性を大きく削ぐ。

だがハーデンは「それは違う。僕とカイは良い友達だし、どんな状況も彼の個人的な問題だと受け止めている」と言う。それでも『ビッグ3』が揃う機会があまりにも少なかったことは、彼を失望させていた。「3人が揃ってコートに立ち、勝つことが、多くの問題をカバーしてくれるはずだった。だから影響はあった」

しかし、ハーデンはネッツでの過去よりも、シクサーズでの未来に「僕にとって大きなチャンスだ」と思いを馳せている。

「ジョエルがどれだけ素晴らしいプレーをしているかは、ここで僕が言うまでもない。得点だけでなくリバウンドでも突出した存在だ。信じられない存在感がある。チームを助け、最高のレベルでゲームに影響を与える。それは僕も同じだと思う。サポートしてくれる仲間もいる。すぐにプレーできればベストだったけど、今は時間をかけて準備を進めていくよ」

昨シーズン開幕時点ではロケッツにいたハーデンは、ネッツへと移り、そしてシクサーズへとやって来た。「そういう計画だったわけじゃないよ」とハーデンは笑う。「14カ月前には自分が3つのチームを渡り歩くとは思ってもみなかった。この1年は浮き沈みが激しく、ストレスに感じることも多かった。でも、もう過去のことだ。僕は今日ここにいることができて幸せだ。トレードを巡る出来事は一瞬のうちに起きたけど、それでも僕は早くこの問題を片付けてバスケに集中したかった。優勝だけを目標にしたかったんだ。ここで得られる機会に興奮しているし、身体の調子も良い。一生に一度のチャンスだと思う」

ハーデンはハムストリングのケガでオールスターゲームを欠場する。それでも、オールスター明けにはシクサーズでのデビューが見られそうだ。