ジミー・バトラー

バチバチのやり合い「そこには本当のライバル関係がある」

近年のNBAはフィジカルな接触が少なくなっている。これは今シーズンからファウルを誘うプレーに対する判定基準が変わったように、ルール改正による影響も大きい。また、3ポイントシュートを多投する現在のトレンドや速いペースによる得点の増加などの様々な変化も、接触が減る要因となっている。1990年代のNBAはスター選手同士が激しくぶつかり合い、時には度を越して乱闘騒ぎになることも多々あった。乱闘は決して歓迎すべきものではないが、プロスポーツの一つの醍醐味であることは否めない。

そして、現在のNBA選手たちのすべてがフィジカルな接触を嫌っているわけではない。ヒートのジミー・バトラーもそのうちの一人だ。闘志を前面に押し出すタイプのバトラーは、自分が正しいと思えば手を出すことも辞さない考えだと明かした。「そこには本当のライバル関係があるんだ。NBAは多くの点で変化してきたと思う。もう乱闘は許されないし、誰もそんなことはさせない。本音を言えば、少しはやらせてほしい」

選手たちには反撃する機会が認められておらず、90年代のような喧嘩バトルはほとんど見られなくなった。バトラーはリーグに、選手たちが自由にコート上で決着をつけさせてくれることを望んでいるが、そうなっていないおかげで自分をコントロールできているとも言う。それでも、ヒートアップした時にもっとアクションを起こしてほしいと語った。

「そういう瞬間は今もあるんだ。ただ、ゲームの内容が変わった。もう人を殴ったり、地面に叩きつけたりすることは少なくなった。すぐにフレグラントファウル1、フレグラントファウル2、テクニカルファウルがコールされるからね。あの頃に戻ってほしいよ」

90年代にプレーした選手たちはよく「現在のNBAはソフト」だと言い、激しい肉弾戦が行われていた自分たちの時代の激しさの正当性を強調する。確かにそれは本当なのかもしれない。それでも、バトラーのように激しさを歓迎する選手は現在も存在している。