保岡龍斗

「隙あらば攻めるぞというところを見せたい」

保岡龍斗は長らく3人制バスケ『3×3』と5人制バスケの二足の草鞋を履いてきた。そして、代表の座を勝ち取り、念願の東京オリンピック出場を果たした。

男子日本代表は若手の底上げ、A代表を脅かす存在の発掘を目的とし、15名の選手を呼んで強化合宿を行っている。平均年齢が23.4歳と若い中、26歳の保岡はルーク・エヴァンスに次ぐ年長者だ。それでも、「日の丸をつけて練習や試合をすることはより一層緊張感が増し、その緊張感は自分にとってプラスになる」と語るように、誰よりも高いモチベーションでこの合宿に臨んでいる。

「本気でメンバーに入りたいと思っています。今日のミーティングでトム(ホーバス)ヘッドコーチが『今までのBリーグの結果は関係ない、ここで自分の強みを出してほしい』と言っていたので、自分の強みをこの合宿でしっかり出していきたいです」

オリンピック出場という実績と実力を持つ保岡だが、所属する秋田ノーザンハピネッツで先発起用されたのは29試合中1試合のみと、今シーズンは安定感に欠けるプレーが続いていた。プレータイムと平均得点も昨シーズンから微減しており、決してパフォーマンスが良いとは言えないからこそ、ホーバスヘッドコーチの「Bリーグの結果は関係ない」という言葉が響いたのだろう。また、ホーバスヘッドコーチが彼を招集したのは、自身が目指す日本のスタイルに合い、そこで活躍できるポテンシャルを秘めていると認められたからだ。保岡もそれを理解し、3人制で培った経験や持ち味のすべてをこの合宿で発揮するつもりだ。

「フィジカルの面では3×3でやっていたのであまり懸念はないですし、タフにディフェンスができる部分でアピールしたいです。オフェンスではロングレンジからも、距離に関係なく3ポイントシュートが打てるので、隙あらば攻めるぞというところを見せたいです。トムヘッドコーチのディフェンスは、少し秋田と似ている部分があるので、そこでもアドバンテージがあると思っています」

ワールドカップ予選のWindow1では、序盤から中国の勢いに飲まれ、普段通りのプレーができずに大敗を喫した。国際試合ではメンタルの強さが問われることが浮き彫りになったが、海外の選手とバチバチにやり合ってきた保岡の経験はそこでも生きるはず。保岡は「いつかは5人制で日の丸をつけてプレーしたいという思いもあった」と明かしたが、そのタイミングはすぐそこまで来ている。