デニス・シュルーダー

レイカーズのオファーを蹴り、単年契約でセルティックスへ

デニス・シュルーダーは昨夏、レイカーズからの4年8400万ドル(約92億円)の契約延長オファーを蹴り、フリーエージェントとなった。レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのチームの3番手でプレーするより、移籍した方が自身の価値を高められる、という考えがあっての決断だった。それでも彼の望む大型契約は手に入らず、結局は単年590万ドル(約6億8000万円)と格安の契約でセルティックスに身を置くことにした。

もともとセルティックスに長くいるつもりはない。自身の価値を上げて自分らしいプレーが認められるチームを探し出し、大型契約を結ぶのが彼の狙い。それでもセルティックスではマーカス・スマートの控えに甘んじ、61試合すべてに先発出場したレイカーズでの昨シーズンからスタッツも落としている。序盤戦はもたついたチームも年明けからは調子を上げているが、シュルーダーがそこで決定的な仕事を果たしているかと言えば、答えは『No』だ。逆に、2年目のポイントガードであるペイトン・プリチャードに経験を積ませるために、シュルーダーのプレータイムを減らすべきとの意見もある。

そのシュルーダーにトレードの噂が出るのは当然のこと。本来の実力からすれば安すぎる年俸を結んでいる今の彼は、上位争いを演じるチームにとっては即戦力として期待ができる。ブルズはロンゾ・ボールが膝のケガで離脱中。もともとポイントガードの層が薄いため、シュルーダーの獲得は大きな戦力アップとなる。またバックスもシュルーダー獲得に関心があるとされる。こちらはガードの駒はいるものの、シュルーダーのように個人でズレを作り出し、得点の取れるプレーメーカーはいない。東カンファレンスはヒートからブルズ、バックス、キャバリアーズと首位から4位までが2ゲーム差の大混戦。ここで一歩抜け出すための切り札としてシュルーダーへの関心は高まっている。

この状況をシュルーダーは落ち着いて受け止めている。「この手の話は僕がこのリーグに来てからずっと、もう8年か9年か聞き続けていることなんだ。結局のところ、多くの人が僕に興味を持って名前を出してくれるのは良いことだと考えているよ。僕はセルティックスが気に入っている。ここのみんなが好きだ。でも、僕がどこかに移籍する時は、そういうビジネスだからだ。僕は代理人じゃないけど、自分の契約が低いことは理解している。今回どんな結末になるかは分からない。今頃、代理人は誰かしら話をすべき人と話をしているんだろう」