選手層の厚み、試合巧者ぶりを生かして三遠に付け入る隙を与えず
琉球ゴールデンキングスと三遠ネオフェニックスの第2戦。三遠は第1戦で77-110と大敗を喫したが、ディフェンスの修正が効いて昨日とは違う姿を見せる。外国籍のビッグマンはロバート・カーターとエリアス・ハリスの2人だけで、インサイドの不利は否めない。それを最初から認識してディフェンスのローテーションを素早くし、ゴール下に人数を掛け、ジャック・クーリーを擁する琉球の強力インサイドに対して体勢が十分でなければティップで繋ぐことでオフェンスリバウンドを与えない。
このディフェンスをこじ開けるのに琉球は苦労したが、今村佳太と牧隼利を手始めに第1クォーターだけでそれぞれ異なる5選手が5本の3ポイントシュートを沈める。それでも三遠は崩れず、津山尚大に太田敦也と途中出場の選手が入ってすぐ得点を決めるなど食らい付き、18-23と5点ビハインドで第1クォーターを終えた。
三遠はゲームプランに沿った戦い方ができているにもかかわらず、琉球から付け入る隙を見いだせない。逆にインサイドで身体を張るエリアス・ハリスが第2クォーター序盤でファウルトラブルに陥り、3ポイントシュートは琉球のタッチの良さに対して三遠はチャンスは作れど決められない。それでも山内盛久がペースをコントロールし、スモールラインナップの状況で津屋一球がクーリー相手に一歩先んじてリバウンドを確保するなど、集中を切らさずに粘りのバスケを続ける。
一方で琉球も決して簡単ではない試合展開でありながら、杉浦佑成のコーナースリーのチャンスにクーリーが全力で寄せて決めさせず、クーリーが警戒されていればアレン・ダーラムに効率良くチャンスを回すなどチームとしての完成度の高さを見せ、47-38とリードを広げて前半を終えた。
奮闘するもアドバンテージとなる武器のない三遠に対し、琉球はクーリーが足首を痛めてプレーを続けられなくなるも、他のメンバーが攻守の強度を上げて第3クォーター最初の5分を15-6のランで突き放す。三遠はカーターとハリスを同時起用しているにもかかわらず、前半の良い時間帯のようにディフェンスで足が動かず、攻めでも個々でのアタックが増えて連動性を欠いた。ハリスの4つ目の個人ファウルは、ドウェイン・エバンスにかわされて冷静さを失って背後から接触したもの。カーターまでケガでベンチに下がると、三遠にはもう琉球に抗う術が残っていなかった。
三遠はインサイドで太田が身体を張り、杉浦が繰り返しアタックを仕掛け、何度もハドルを組んで劣勢の中でも戦う姿勢は崩さなかったものの、点差を詰めるには至らず。最終スコアは72-100と差が付き、三遠にとっては8連敗となったが、最後まで戦い続ける『変化』を感じさせた試合ではあった。
琉球はこれで17連勝。三遠のゲームプランに乗せられる形となったが、出場した11選手が全員得点するなど選手層の深みを生かすとともに巧みな試合運びを見せて、2試合連続の100点ゲーム。27勝3敗で西地区首位をがっちりとキープしている。次節は東地区首位の千葉ジェッツとの対戦。今日、4本の3ポイントシュート成功を含む15得点を挙げた今村は「ビッグゲームになる。勝てるように準備していきたい」と意気込みを語った。