レブロン・ジェームズ

NFLレジェンド、トム・ブレイディの引退に「小さな一部分は僕の中に残った」

成績が伸び悩むレイカーズは、「アンソニー・デイビスが復帰すれば上向きに転じる」と言われていたが、そのデイビスがようやく復帰したタイミングでレブロン・ジェームズが左膝を痛めて5試合を欠場した。1カ月以上の離脱から戻って来たデイビスはなかなかリズムをつかめず、レブロン不在の5試合を1勝4敗としていた。

そのレブロンが現地2月5日のニックス戦で復帰した。レブロンが出場した試合も、今年に入ってからは6勝5敗とさほど良い成績ではなかったのだが、ファンと関係者からすれば「レブロンが復帰すれば」に託す思いが大きかったのも無理はない。そしてレブロンは期待に応え、39分間の出場で29得点13リバウンド10アシストのトリプル・ダブルを記録。レイカーズが延長にもつれた接戦を制した。

「第1クォーターを終えて、膝が動くようになったと感じた。気分もほぐれて、ただバスケをプレーすることに集中できた。仲間たちと一緒にプレーする機会を逃してきたから、コートに戻ることができて幸せだ」とレブロンは言う。

ジュリアス・ランドルは32得点16リバウンド7アシストとレブロンに劣らぬパフォーマンスを発揮し、RJ・バレットはキャリアハイの36得点と、ニックスも活躍すべき選手が結果を残した。試合開始から11-0のランと先制パンチを見舞ったニックスが前半だけで71得点と先行したが、レブロン復帰で士気の上がったレイカーズは後半に猛追し、延長の最後までペースを落とさなかった。

ヘッドコーチのフランク・ボーゲルは「彼がゲームを支配するのは分かっていた」とレブロンを称える。「ただ、39分もプレーさせるつもりではなかった。それでも彼は素晴らしいプレーを見せてくれた。ディフェンスで見せる競争心、バスケIQ、オフェンスでチームメートの強みを引き出すやり方は、まさに彼だからできること。特別な選手が特別なパフォーマンスを見せたということだ」

アンソニー・デイビスも同じことを言った。「復帰戦でとんでもないプレーを見せてくれたよ。まさしくレブロンのプレーだった。彼の声、リーダーシップ、プレーメークの能力は、このチームの大きな部分を占めている。それを証明したんだ」

試合後の会見でレブロンは、NFLのレジェンドであるトム・ブレイディが引退したことの心境について、こう語っている。「この何年か、彼からは多くのモチベーションをもらってきた。あの年齢で常にチームのリーダーで、人々を魅了し、そのエネルギーや準備のやり方に惹かれていたんだ。だから彼の引退はショックだったけど、その小さな一部分は僕の中に確かに残ったと思っている」

レイカーズに求められるのは目先の1勝ではなく継続性だが、まずは役者が揃った。ここから巻き返しがスタートするのか。37歳でこのパフォーマンスを見せるレブロンの活躍も含めて、再びレイカーズに注目が集まりそうだ。