ジョシュ・ギディー

勝負を決めたルグエンツ・ドートに「彼が勝たせてくれると思って託した」

サンダーのジョシュ・ギディーは、昨年のNBAドラフトの1巡目6位指名選手。昨シーズンにオーストラリアのNBLで新人王に輝いた彼は、NBAのスタイルにもすぐにフィットして、若手の多いサンダーの中でも突出したパフォーマンスを見せている。12月は11.8得点、7.1リバウンド、6.7アシストで西カンファレンスの月間最優秀新人に選ばれたのだが、1月は13.3得点、8.6リバウンド、6.1アシストとさらに調子を上げて、2カ月連続の月間最優秀新人となった。

それでも彼は「自分のスタッツには大いに満足しているけど、結局のところ勝てるかどうかがすべてだと思っている。勝てる試合を落とすケースが何度もあって、そこで勝っていたらもっと気分が良かったはずだ」と、あくまでチームの勝利を目指している。

そういう意味でも2月最初の試合となったマーベリックス戦で、延長の末に120-114と競り勝ったことで、ギディーの表情は明るかった。「接戦に勝つにはミスを減らすことがとにかく大事だ。今回、オーバータイムで僕のターンオーバーは1つだけだったと思う(公式記録ではゼロ)。全員がボールを丁寧に扱い、攻守ともに集中していた。僕らでもやれることを証明できたと思う」

アグレッシブに攻めつつミスを減らすという意味で、チーム全体はもちろんギディーにも向上の余地はある。ここまで平均6.1アシストはリーグ19位、ヤニス・アデトクンボ(6.0)やケビン・デュラント(5.8)を上回る堂々たる数字だが、ターンオーバーも少なくない。オフボールで選手が激しく動くサンダーのバスケで合わせのパスを多用するギディーのプレースタイルではターンオーバーが多いのは仕方ない部分もあるが、味方とさらに呼吸を合わせてパスミスは減らさなければならない。

それでも、試合の流れを読んでのプレーメークという『数字で計れない部分』はギディーの得意とするところ。マブス戦のオーバータイムの5分間ではチームの17得点のうち14点をルグエンツ・ドートが決めた。第4クォーターで無得点だった彼にボールを集めてアタックさせた意図を、ギディーは「信頼」という言葉で説明する。

「ルー(ドート)はNBAに来て年々成長している。もし彼自身が自信を失っていても、僕らの彼への信頼は絶対に揺らがない。オーバータイムでやるのは彼だ、そういうメッセージとともにボールを託したつもりだ。信頼して正しいプレーへと導けば、彼は決めてくれる。40分プレーして疲れていても関係ないよ。いつだってチームのために大きな仕事をしてくれる選手だからね。それに第4クォーターに点が取れていなくても、彼は慌てていなかった。彼が勝たせてくれると思ってボールを託したし、それは正しかったよ」

若手中心で再建中のサンダーは16勝34敗と勝てているわけではない。ギディーも含めて若い選手にはアップダウンの波も大きい。ただ、その力が噛み合えば、ルカ・ドンチッチが40得点を挙げたマブスでさえも押し切る力がある。再建は着々と進行している。