文=泉誠一 写真=野口岳彦

1試合あたりのアシスト数は軒並み減少、秋田は半減

Bリーグ開幕から1カ月が経ち、各チームが8試合を消化した。まだまだチームケミストリーは合っておらず、アシストキラーの出現にため息がつくシーンも多い。せっかく良いパスをもらったにもかかわらず、シュートを外してしまうアシスト殺しを『アシストキラー』と人は呼ぶ。

昨シーズンと今シーズンのこれまで8試合について、1試合あたりのアシスト数を比べたところ、軒並みその数字は下がっていた。微増ながらも増えていたのはシーホース三河とサンロッカーズ渋谷、川崎ブレイブサンダースの3クラブのみ。5本以上減っているクラブはB1の半数となる9クラブもあった。

5本のアシストが減ることは、単純に考えればマイナス10点と同じこと。最も減少していたのは秋田ノーザンハピネッツの平均9.5本。昨シーズン比マイナス10.2本と半減した結果、B1の18クラブで唯一10本を切ってしまった。

秋田は昨シーズンから4人しか選手の入れ替わりはない。新たにポイントガードを任されている安藤誓哉は平均3.4本と十分な数字を記録し、アシストランキング10位に名を連ねている。昨シーズンはリチャード・ロビーが平均3.7本でチームトップだったが、そのロビーにしても移籍先の三遠ネオフェニックスで平均1.5本とアシスト数を落としている。

チームの連携にまだ難があり、総じてパスが合っていない。もっとも、開幕まもないこの時期は致し方ないことだ。

『Synergy』で相手を丸裸にして臨む、楽しみな2巡目

これまでの観客動員は約23万人。想像を超える好プレーに歓声を上げる一方で、期待以下の散漫なプレーを叱責するのも、チケットを購入してアリーナに足を運んだファンの大事な役割である。多くのファンに見つめられる中でプレーすることが選手を鍛える。

それぞれのプレーに一喜一憂しながら、選手を励ましたり叱咤激励したり。そうやって選手と気持ちを一つにし、『チームの一員となる』ことが生観戦の醍醐味と言えよう。

アシスト数が減ってはいるが、現時点の記録に一喜一憂する必要はない(『スタッツで見る』というタイトルには反するが)。最終的に帳尻が合わさっていくのが平均値なのだ。

また、昨シーズンの旧bjリーグのアシスト平均18本に対し、旧NBLは14.5本と低かったことも、秋田の落差が浮き彫りになった要因である。現時点のB1において、18クラブ平均アシストは12.5本。この数字から見れば、秋田もたった3本しか差はない。プロらしいコンビプレーが随所に見られていくことで、リーグ全体を通してアシストの平均値が上がっていく。

Bリーグ開幕戦が交流戦となった東地区のアルバルク東京とレバンガ北海道、西地区の大阪エヴェッサと琉球ゴールデンキングスの対戦を除き、今週末のゲームで各地区の一巡目の対戦が終わる。

NBLとbjリーグに分かれていたことで、これまで対戦したことがなく、選手の特徴も想像の域を出なかった。しかし、2度対戦すれば様々なデータが取れる。Bリーグでは、ゲーム分析のプラットフォームとして「Synergy」を全クラブに導入しており、2巡目からはライバルたちを丸裸にして臨む『ガチンコ勝負』となる。

本当のバスケットの楽しさやすごさを見られるのは、これからだ。