ジェームズ・ハーデン

「本来なら今よりずっと優れたチームだから、現状にイライラすることはある」

ネッツはここまで29勝18敗で、激戦の東カンファレンスで首位争いを演じている。しかし、どのチームも例外なくそうであるようにケガ人続出と健康安全プロトコルによる欠場者を数多く出しており、ワクチン接種に同意しないカイリー・アービングが敵地での試合に出られるようになった今も、他のチームより多くのフラストレーションを抱えながらの戦いを強いられている。

現地1月25日のレイカーズ戦はホームゲームのためカイリーが出場できず、ケビン・デュラントはケガで戦線離脱中。『ビッグ3』で唯一プレーできたジェームズ・ハーデンが33得点12リバウンド11アシストのトリプル・ダブルを記録するも敗れた。翌日のナゲッツ戦はハーデンもハムストリングの張りが出て休養を取り、『ビッグ3』は一人もプレーしていない。

そのハーデンには移籍の噂が浮上している。もともと彼の契約は、2022-23シーズンの最終年はプレーヤーオプションで、それを破棄すれば今夏にフリーエージェントとなる。『Bleacher Report』は、カイリーがホームでプレーしない状況に納得しておらず、またブルックリンでの生活も合わずに、フリーエージェントになることを選択すると報じた。

レイカーズ戦を終えて会見に臨んだハーデンは、このことを質問されると「僕の口から聞いたわけじゃないよね?」と逆質問を投げ掛け、「その報道は嘘だ」と続けた。

「フラストレーションがあるのは認める。チームのコンディションは決して良くない。ケガにコロナ、多くの問題を抱えている。本来なら今よりずっと優れたチームだから、現状にイライラすることはある」

ヘッドコーチのスティーブ・ナッシュは「ジェームズはここに満足していると思う。最高のバスケができているわけではない以上、フラストレーションがあるのは当然のこと。何かを築く際には付き物なんだ。それに戦力が戻るにつれて良くなっている」と言う。

問題は、このフラストレーションがいずれ解消されるのか、ずっと付きまとうものなのか、ということだ。ハーデンの加入から1年半、『ビッグ3』の揃い踏みが実現した試合数は、彼の期待を大幅に下回るものだろう。現実的に、昨シーズンのプレーオフも含めて、ほとんどの場合で3人が揃うことはなく、出ている選手が必要以上の負担を強いられる状況が続いている。目標であるNBA優勝を果たすために、この状況が最善なのかとハーデンに迷いがあっても何ら不思議ではない。