切れ味鋭いドライブで相手を切り崩す河村、横浜に流れをもたらす
横浜ビー・コルセアーズが敵地で秋田ノーザンハピネッツと対戦した。河村勇輝の26得点9アシスト3リバウンド2スティールの大暴れによりオーバータイムの激闘を102-97で制し、19点差で大敗を喫した前日から見事なカムバックを果たした。
立ち上がりに先手を取ったのは秋田で、ジョーダン・グリンが連続3ポイントシュートを決めると、オフェンスリバウンドからコルト・アイバーソンが押し込んでバスケット・カウント。さらに中山拓哉もレイアップ、3ポイントシュートと内と外からバランス良く決めて、開始3分で14-6とリードする。
だが、横浜はここからレジナルド・ベクトンによるゴール下でのパワーアタックで悪い流れを断ち切る。さらに開始5分すぎにベンチスタートの河村が登場すると、切れ味鋭いドライブで秋田ディフェンスを切り崩し、横浜に傾いた流れを加速させる。その結果、横浜は26-20と逆転して第1クォーターを終えた。
河村は第2クォーターも11得点を挙げる活躍で、残り4分半には横浜のリードは14点にまで広がった。しかし、ここから横浜はターンオーバーやアンスポールマンファウルなど不用意なミスが続き、秋田に点差を詰められた。後半、両チームとも中心選手がオフェンスを引っ張ることで一進一退の攻防は続く。だが、残り1分47秒、87-87の同点になった後は、ともにターンオーバーが出るなど決定力を欠いて試合はオーバータイムに突入する。
オーバータイムの横浜は残り3分で3点ビハインド。だが、この嫌な流れを断ち切ったのは河村で、ドライブからチーム最初の得点を挙げると、残り1分44秒にはゴール下へと走るベクトンへパスを合わせてリードを4点に広げるなど、勝負どころでビッグプレーを連続して成功させる。
「プロフェッショナルとして1試合1試合を勝たなければいけない」
その後、秋田もこの試合24得点の古川孝敏の得点などで、残り1分で1点差に迫る。だが、この日の横浜は最後までチーム全体で積極的に攻めることができていた。残り47秒、ここまで無得点だった森井健太がドライブから値千金のバスケット・カウントを奪取。これでリードを2ポゼッションに広げた横浜が粘る秋田を振り切った。
横浜の青木勇人ヘッドコーチは、試合後にこう振り返る。「いろいろと隔離期間などとかあった中、この2日間、80分で戦おうと思っていました。昨日は上手くいかないことがありましたが、そこから何ができて何を修正しなければいけないのか話をして試合に臨みました。2日間かけて今日の勝ちに繋げられたと思います」
得点とアシストでゲームハイを記録した河村については「すごく活躍してくれました」と称賛する。「そして試合のトーンをセットしてくれた先発メンバーのエナジーが素晴らしかったです。それを交代で出場メンバーが受け継ぎながら、しっかりバトンを繋いでチームとして戦えた、素晴らしい勝利だと思っています」
新型コロナウィルスの陽性反応によるチーム活動停止があり、横浜にとって今節は1月3日以来の実戦となった。言い訳はいくらでもできる状況だが、河村はヒーローインタビューで「コンディション不良を言い訳にしてはいけない。プロフェッショナルとして1試合1試合を勝たなければいけないのが自分たちの使命です」と言い切る。
まさに有言実行を果たした若武者の活躍により、横浜はリーグ上位の秋田から大きな弾みとなる1勝をつかんだ。