前半終了時点で21点の大量リード
秋田ノーザンハピネッツvs横浜ビー・コルセアーズの第1戦は攻守ともに安定したパフォーマンスを見せ、最後までシュート精度が落ちなかった秋田が97-78で快勝した。
序盤からシュートタッチが好調な秋田は古川孝敏や田口成浩が決して簡単ではないキャッチ&シュートを沈めたことで、オフェンスに流れが生まれた。ダイブしてアウトオブバウンズを防ぎ、それを得点に繋げるなど、ボールへの執着心でも横浜を上回る。さらにリバウンド争いによく絡み、このクォーターだけで5本のオフェンスリバウンドを奪った。そして、アレックス・デイビスのオフェンスリバウンドから田口が3ポイントシュートを沈め、早くも2桁のリードを奪った。
13-25といきなり2桁のビハインドを背負い、反撃の糸口を見つけたい横浜だったが、アウトサイドシュートに当たりが来ず、ラインクロスやトラベリングなど、軽率なミスを重ねてしまい流れを持ってくることができなかった。
一方の秋田は中山拓哉が自身のパスカットからワンマン速攻に持ち込み、田口のスティールからジョーダン・グリンの3ポイントシュートに繋げるなど、攻守がガッチリと噛み合う。そして、コルトン・アイバーソンも合わせからインサイドでしぶとく得点し、内外バランスの良いオフェンスを展開した秋田が52-31と前半で大量リードを奪った。
このクォーターだけで7つのターンオーバーを犯すなど、後半序盤は大味なプレーが目立った秋田だが、インサイドのパワープレーをギリギリで防ぐなど、セカンドユニットが出ても強度が落ちないディフェンスは健在で相手に流れを渡さない。そして、成功率は50%を下回ったが、ディフェンスをしっかりと崩して攻めたことで14本ものフリースローを獲得した。こうしてこのクォーターも22-21で上回った秋田がそのまま逃げ切った。
秋田は直近の4試合の平均得点が89.3で、今回の試合は今シーズン最多得点での勝利となった。秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは好調なオフェンスについてこのように説明した。「今シーズンにオフェンスをガラっと変え、コルトンのケガもあったり前半戦の半分は難しい状況でやっていました。ここにきてベースが作れて、選手がより理解して思い切ってシュートを打ってくれている。スタイルとしてはこういう方向性でやりたいと思っていたので、数字に出てきているのは良いことです」
15分弱のプレータイムで4本の3ポイントシュートを含む18得点を挙げた田口のパフォーマンスは効果的だった。田口が2桁得点を記録した場合、今回を含めて9勝1敗と大きく勝ち越しているが、本人は「あまり意識していなかったですし、初めて知りました」と笑顔をこぼした。また、シューターは1本目の3ポイントシュートが入ると波に乗るという選手が多いが、田口の場合はシュートにかかわらず良いプレーができた時に好調を感じると言う。
「レイアップでもミドルでも、3ポイントシュートでも入ってしまえば何でも良いんです。良いディフェンスをした時もきっかけになるので、僕は何かプラスになったと思えることがあるとガツガツ行けます」