岡田侑大

日本人選手最高の平均19.1得点をマーク

岡田侑大は今年で23歳を迎えたばかりの若手だが、すでにプロキャリアは4年目となる。

2016年のウインターカップで平均30.4得点を挙げ大会得点王に輝くとともに、東山を準優勝に導いた岡田の雄姿を覚えているファンは少なくないだろう。その天性の得点能力はBリーグでも通用した。プロ転向1年目に所属したシーホース三河では40試合中20試合で先発を務めるなど主力を担った。独特なリズムから繰り出されるドライブ、外国籍選手が立ちはだかっても得点をもぎ取るフィニッシュ力で平均10.3得点を記録し、新人王を受賞した。

2年目もコンスタントに得点を重ねたが、チームが勝てずにシーズン後半は先発を外され、プレータイムの減少に比例して得点も伸び悩んだ。富山グラウジーズに移籍した昨シーズンは、ジュリアン・マブンガや宇都直輝といったハンドラーが多いチームにアジャストするのに時間がかかったが、プレータイムにばらつきがありながらも平均9.7得点を記録し、その得点能力を証明している。

昨シーズンのラスト20試合すべてで先発起用されたことを考えても、岡田はチームの信頼を勝ち取っていた。しかし、現状維持を後退と考える彼はさらなる成長を求めて信州ブレイブウォリアーズへ移籍した。

信州は昨シーズンの平均失点が最も少ないディフェンスのチーム。その信州に加わるにあたり、「僕がオフェンスの起爆剤になれればチームも良い結果が出る」と語っていたが、まさにその通りの結果が生まれている。昨シーズンは20勝34敗と黒星が大きく上回ったが、開幕から14試合を消化した時点でチームは9勝5敗と好成績を収めている。岡田もその得点力を発揮し、リーグ12位、日本人選手では1位となる平均19.1得点を記録して、信州のエースの地位を確立した。

また岡田は一つの基準となる『平均20得点』について「昨シーズンの後半戦ぐらい3ポイントシュートが入れば難しくない」と語っていたが、それも実現可能なところにいる。

外国籍選手がエースの重責を担うチームがほとんどのBリーグにあって、信州では岡田に続くのがジョシュ・ホーキンソンの14.6得点、アンソニー・マクヘンリーの12.1得点と、岡田がチームトップの得点を記録している。オフェンスのファーストオプションとしてボールを託され、攻めをリードするのも岡田だ。トム・ホーバス新ヘッドコーチのスタイルに合うかどうかはこれから証明しなければならないが、岡田の得点能力を無視することはできない。その得点能力が世界に通用することを、日本代表で示してもらいたい。