日本に胸を借りるインドに対し、トランジションと3ポイントシュートで圧倒
ヨルダンでの女子アジアカップが開幕した。オープニングゲームでインドと対戦した日本代表は、危なげない展開で136-46の圧勝スタートを切った。
日本の先発は宮崎早織、林咲希、赤穂ひまわり、馬瓜ステファニー、オコエ桃仁花。立ち上がり当初こそ動きが硬く、アップテンポな展開に持ち込もうとするも連携のタイミングも噛み合わなかったが、開始2分でオコエの連続3ポイントシュートが決まり、インドがタイムアウトを取った直後にも、セカンドチャンスから宮崎が3ポイントシュートを沈める。開始3分で早くもセカンドユニットを投入。山本麻衣がスティールからのワンマン速攻を決めて早々に2桁のリードを奪った。
インドも速い展開に持ち込み、個人技で積極的に仕掛けようとはするものの、フットワークの良い日本のデイフェンスはズレを作らせず、激しいプレッシャーディフェンスからボールを奪っては速攻に持ち込む。根本葉瑠乃、山本が3ポイントシュートを決め、前からプレスを仕掛けてのボール奪取からオコエの速攻に繋ぎ、開始6分でリードを20点へと広げた。第1クォーターは41-14。オコエが13得点、宮崎が6アシストでチームを勢いに乗せた。
世界ランキング8位の日本に対し、インドは今大会の参加チームで最も低い70位と挑戦者の立場。序盤から大差を付けられても、日本に胸を借りるつもりで積極性を失わず、日本のプレッシャーディフェンスにも少しずつ慣れてハードに戦い続ける。それでもボールを扱う技術も身体能力も、チームとしての組織力も日本に大きく見劣りした。前半を終えて17ターンオーバーを喫し(日本は3)、ターンオーバーからの失点は31と止まらない。
日本は66-25と大量リードして迎えた後半もペースを落とさない。第3クォーター終盤、宮下希保のフリースローで日本の得点は早くも100に到達。最終スコア136-46で快勝を収めた。
攻守に積極性を見せた宮下希保は27得点5リバウンド5アシスト
12人でプレータイムをシェアする中で全員が活躍したが、中でも目立ったのは宮下希保だった。オフェンスとディフェンスの両方でボールに絡んでいく積極性があり、ゴール下に飛び込んでパスを呼び込み、それをダイレクトで次の選手に展開する、オリンピックのチームにはなかった新しい攻めのパターンを披露。チームのパスワークで相手を揺さぶることでペイントエリアにスペースができると、タイミング良く飛び込むオフボールの動きの質でチャンスを作り出しては決めていった。結果、宮下はベンチスタートながらチーム最長の25分半のプレータイムを得て、27得点5リバウンド5アシストを記録している。
他にも根本葉瑠乃は5本の3ポイントシュート成功を含む17得点を記録してシューターとしての勝負強さを示した。ポイントガードのポジションでは先発の宮崎が14分出場で3得点12アシストと『町田瑠唯ばり』のスタッツを残しただけでなく、山本も12分半で5得点7アシスト、永田萌絵は24分の出場で13得点6アシストと3人ともレベルの高いプレーを見せている。
ただ、インドに大勝するのは既定路線。ニュージーランド、韓国と続く今後の試合でさらにパフォーマンスを高めてほしい。