相手のエースをあらためて称える「世界ベストプレーヤーはデュラントだ」
現地19日にブルックリンのバークレイズ・センターで行われた東カンファレンスセミファイナル第7戦、バックスvsネッツは、オーバータイムの末にバックスが115-111で勝利し、2018-19シーズン以来のカンファレンスファイナル進出を果たした。
バックスは、ヤニス・アデトクンボが40得点13リバウンド5アシスト、クリス・ミドルトンが23得点10リバウンド6アシスト、ブルック・ロペスが19得点8リバウンド、ドリュー・ホリデーが13得点7リバウンド8アシストの活躍で勝利に貢献した。
一進一退の攻防が続いた一戦は、第4クォーター残り1分5秒にミドルトンのフリースロー2本成功でバックスがリードを4点(109-105)に広げ、これで勝負は決まったかに思われた。しかし、カイリー・アービングが欠場し、ジェームズ・ハーデンも万全の状態でなかったネッツを引っ張ったのは、やはりケビン・デュラントだった。試合開始からフル出場を続けていたデュラントは、PJ・タッカー、ミドルトンの執拗なディフェンスに手を焼きながらも、残り42秒にジャンプシュート、そして残り1.6秒には同点ショットを成功させ、試合を延長戦に持ち込んだ。
残り1.6秒で決めたのは、タッカーの決死の寄せを浴びながらターンアラウンドの難しいジャンパーをねじ込んだもの。3ポイントシュートであれば逆転だったが、わずか数cmラインを踏んでいたことで同点シュートにしかならなかった。
デュラントはアンストッパブルで、バックスにとっては土壇場で追い付かれたものの、九死に一生を得た形でのオーバータイムだった。両チームとも疲労困憊で、延長に入ってすぐにネッツが2得点を挙げたものの、その後は残り1分12秒までスコアが動かなかった。とはいえ、疲れから動けなくなっていたわけではない。両チームとも一つのリバウンドを身体を張って争い、激しく寄せてオフェンスを構築させない。最後のフィニッシュの精度だけが疲労で狂わされていた。
それでも残り1分12秒に均衡を破ったのはアデトクンボだった。デュラントをポストアップで押し込んで得点を挙げると、残り40秒にはアデトクンボのスクリーンを使って抜け出したミドルトンがステップバックジャンプシュートを決めて逆転。ネッツは反撃に出るもシュートの精度が落ちており、得点は生まれず。こうしてバックスが『GAME7』を制した。
アデトクンボは、試合後のインタビューで「疲労困憊だけど、その価値はあった」と、2年ぶりのカンファレンスファイナル進出を喜んだ。
「数日前にも言ったように、世界ベストプレーヤーはケビン・デュラントだ。僕たちは、このシリーズを通してチーム全体で彼を止めて、チーム全員でオフェンスを成功させないといけなかった。シリーズを通して冷静さを保ってプレーできたと思う。シリーズ開始から連敗を喫してホームに戻って、2桁得点差で負けた試合もあった。『GAME7』ではポゼッションごとに集中して、デュラントを相手に必死に守って、なんとか勝てたんだ」
「敵地での第7戦では、本当にチームの力を出し尽くさないといけなかった。本当に疲れたよ。明日は休んで、次のラウンドでセブンティシクサーズかホークスのどちらと対戦するかが決まるのを待つよ」
死闘を制したバックスは、37年ぶりのNBAファイナルまであと4勝のところまでたどり着いた。2年前はラプターズに敗れたが、今回は優勝候補のネッツを下して勝ち上がっただけに、チームの士気は高く、自信も得られたに違いない。