フリオ・ラマス「馬場だけが大きく遅れてチームに合流する」
バスケットボール日本代表は『アジアカップ2021予選』で中国に57-66の完敗を喫した。試合開始から相手がプレー強度で上回り、リバウンドでも圧倒されて第1クォーターから12-20とリードを許し、オフェンスは終盤まで噛み合うことなく常にビハインドを背負う展開となった。
日本代表ヘッドコーチのフリオ・ラマスも「内容的にも中国の方が上。勝利に値する内容だった」と完敗を認める。それとともに「あらためてディフェンスを評価したい。特に中国はアジアでもトップクラスのチームで、大きく評価できるものだった。反省点はまだあるので、短い期間で調整していきたい」と収穫についても語った。
今日は休養日で、18日にはチャイニーズ・タイペイと、19日には再び中国と対戦する。昨日の中国戦ではベンチ入りメンバー12名全員にプレータイムを与えたが、篠山竜青、辻直人、田中大貴、アキ・チェンバース、ライアン・ロシターの5人はエントリーを外れた。これについてラマスは「出なかった5名は次の試合に出る予定で、この3試合で17名の選手全員をローテーションで起用しようと思っている」と今大会の選手起用を明かす。
この大会中もオリンピックのメンバー入りを巡る評価は行われている。選手にとっては精神的にキツいかもしれないが、厳しい競争が強いチームを作るのは間違いない。この17人が12人に絞られるだけでなく、この後には八村塁と渡邊雄太、馬場雄大の『海外組』が合流するのだから、今回のアジアカップ予選メンバーの競争は熾烈を極める。
「海外組の不在をどうこう考えるよりも、今いる選手のことだけを考える」とラマスは言うが、海外組の3人についてはこう説明した。「雄太も塁もNBAルールに沿って早い段階でチームに合流できることを望んでいる。馬場はオーストラリアリーグの決勝を戦っているので、彼だけが大きく遅れてチームに合流することになるが、決勝が終わってすぐに合流できることを願う」
東京オリンピックを戦う日本代表の姿はまだまだ見えてこない。ライアン・ロシターかギャビン・エドワーズか、帰化選手は1名しかエントリーできない。海外組の3人がオリンピックメンバーに入るのは間違いなく、彼らにどんな役割を与えるかでチームのスタイルは大きく左右される。今回の3試合はアジアカップ出場を懸けた戦いであると同時に、オリンピックに向けた大事な準備の場でもある。むしろ後者の意味合いがより大きい。だからこそ、1試合も無駄にせずにチームの強化に役立ててほしい。